破裂急性期に自然閉塞とその後の再開通をみた解離性椎骨動脈瘤の1例

くも膜下出血(SAH)で発症後に自然閉塞したが, 早期再開通をきたした破裂解離性椎骨動脈瘤に対し, 血管内治療を行った症例を経験したので報告する. 症例は, 51歳の男性. SAH発症1時間後にCT血管撮影で解離性椎骨動脈瘤が原因と診断したが, 発症2時間後の脳血管撮影時には自然閉塞していた. そのため, 人工呼吸器管理下に鎮静, 降圧を行い, 連日CTを撮像し再出血がないことを確認した. 第3病日に再度脳血管撮影を行い, 再開通を認めたため同日引き続いて母血管閉塞術を行った. 術後経過は良好で自宅に退院した. 破裂解離性椎骨動脈瘤が発症直後に自然閉塞した際に保存的加療を行う場合には, 早期再...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 51; no. 2; pp. 129 - 134
Main Authors 土屋拓郎, 金丸英樹, 南平麻衣, 清水重利, 鈴木秀謙
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳卒中の外科学会 31.03.2023
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ISSN0914-5508

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Summary:くも膜下出血(SAH)で発症後に自然閉塞したが, 早期再開通をきたした破裂解離性椎骨動脈瘤に対し, 血管内治療を行った症例を経験したので報告する. 症例は, 51歳の男性. SAH発症1時間後にCT血管撮影で解離性椎骨動脈瘤が原因と診断したが, 発症2時間後の脳血管撮影時には自然閉塞していた. そのため, 人工呼吸器管理下に鎮静, 降圧を行い, 連日CTを撮像し再出血がないことを確認した. 第3病日に再度脳血管撮影を行い, 再開通を認めたため同日引き続いて母血管閉塞術を行った. 術後経過は良好で自宅に退院した. 破裂解離性椎骨動脈瘤が発症直後に自然閉塞した際に保存的加療を行う場合には, 早期再開通の可能性を念頭に慎重に画像評価を行う必要がある.
ISSN:0914-5508