施設入所中に受傷した大腿骨近位部骨折に対する回復期リハの検討 (第2報) - 施設再入所率および転院

施設入所中に受傷し, 回復期リハを行った大腿骨近位部骨折患者158名の施設再入所率と転院を検討した. 同時に, 自宅在住の大腿骨近位部骨折患者545名と比較した. 元の施設に戻らなかった施設入所者30名のうち, 26名(83.9%)は, 元の施設より再入所率が高い施設に入所していた. 施設入所した自宅在住者では, 自宅再入所率(自宅復帰率)より高い施設への入所率は, 86.7%であった. 施設再入所率は, その施設が供給する介護量を示唆することから, 元の施設より再入所率が高い施設への入所は, 患者が必要とする介護量の増加が考えられた. 今回, 元の施設より再入所率が高い施設への入所率は, 自...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 72; no. 4; pp. 637 - 645
Main Authors 西村博行, 浦上泰成
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2023
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ISSN0037-1033

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Summary:施設入所中に受傷し, 回復期リハを行った大腿骨近位部骨折患者158名の施設再入所率と転院を検討した. 同時に, 自宅在住の大腿骨近位部骨折患者545名と比較した. 元の施設に戻らなかった施設入所者30名のうち, 26名(83.9%)は, 元の施設より再入所率が高い施設に入所していた. 施設入所した自宅在住者では, 自宅再入所率(自宅復帰率)より高い施設への入所率は, 86.7%であった. 施設再入所率は, その施設が供給する介護量を示唆することから, 元の施設より再入所率が高い施設への入所は, 患者が必要とする介護量の増加が考えられた. 今回, 元の施設より再入所率が高い施設への入所率は, 自宅と施設で変わらず, 施設入所者の介護量増加は自宅在住者と同程度と考えられた. 急性期病院および療養型病院への転院率も, 施設入所者と自宅在住者で変わらず, 施設入所者は, 自宅在住者に比べ, 医学的に不安定ではないことが示唆された.
ISSN:0037-1033