痴呆性疾患の病理
痴呆の代表的病型であるアルツハイマー病と脳血管性痴呆の脳病変についてのべた. アルツハイマー病の主な脳病変はアルツハイマー神経原線維変化および老人斑である. 脳血管性痴呆については, その代表的病型であるビンスワンガー病の脳病変が, ラクナ(深部小梗塞)および皮質下白質変性から成り, 小血管病変が原因となることを示した. これらの痴呆性疾患の診療および研究には, 臨床的および病理学的診断を標準化するための診断基準が必要であり, その診断基準作成にあたっての問題点を示した. さらに, アルツハイマー病とビンスワンガー病に合併するさまざまの型の脳血管障害を示し, 両疾患において, 脳血管障害が精神...
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Published in | 聴能言語学研究 Vol. 17; no. 3; pp. 165 - 170 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本聴能言語学会
2000
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ISSN | 0912-8204 |
Cover
Summary: | 痴呆の代表的病型であるアルツハイマー病と脳血管性痴呆の脳病変についてのべた. アルツハイマー病の主な脳病変はアルツハイマー神経原線維変化および老人斑である. 脳血管性痴呆については, その代表的病型であるビンスワンガー病の脳病変が, ラクナ(深部小梗塞)および皮質下白質変性から成り, 小血管病変が原因となることを示した. これらの痴呆性疾患の診療および研究には, 臨床的および病理学的診断を標準化するための診断基準が必要であり, その診断基準作成にあたっての問題点を示した. さらに, アルツハイマー病とビンスワンガー病に合併するさまざまの型の脳血管障害を示し, 両疾患において, 脳血管障害が精神神経機能の障害の進行に密接に関与することを強調した. |
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ISSN: | 0912-8204 |