脱臼骨折後の肘関節拘縮に対する関節授動術について

「はじめに」肘関節脱臼骨折後の関節拘縮には高度なものが多く, 治療に難渋することも多い. 我々は, 肘関節拘縮に対して授動術を施行した後にCPMを用いた早期可動域訓練を行っており, 良好な結果を得たので若干の文献的考察を加えて報告する. 「方法」症例は脱臼骨折後, 肘関節拘縮をきたした5例である. 平均年齢33.2才, 脱臼骨折から授動術までの期間は平均12.4ケ月, 術後観察期間は平均16.6ケ月であった. 局所熱感が消失して血清Alp値が正常範囲内に入り, 理学療法にても可動域の改善が見られない状態で手術を行うこととした. はじめの3例には津下法1)に準じた後外側進入法のみを用い, 後の2...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 50; no. 1; pp. 174 - 177
Main Authors 加藤悌二, 薬師寺俊剛, 米村憲輔, 山鹿眞紀夫, 大串幹, 田中智香, 高木克公
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2001
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」肘関節脱臼骨折後の関節拘縮には高度なものが多く, 治療に難渋することも多い. 我々は, 肘関節拘縮に対して授動術を施行した後にCPMを用いた早期可動域訓練を行っており, 良好な結果を得たので若干の文献的考察を加えて報告する. 「方法」症例は脱臼骨折後, 肘関節拘縮をきたした5例である. 平均年齢33.2才, 脱臼骨折から授動術までの期間は平均12.4ケ月, 術後観察期間は平均16.6ケ月であった. 局所熱感が消失して血清Alp値が正常範囲内に入り, 理学療法にても可動域の改善が見られない状態で手術を行うこととした. はじめの3例には津下法1)に準じた後外側進入法のみを用い, 後の2例には内側進入法を追加した. 術後2日経過した時点でドレーンを抜去し, 当科で開発したCPMユニット2)を用い, 可動域訓練を開始した. 術前のAlp値と可動域を測定し, 術後1ケ月と, 最終観察時の可動域を測定した. 「症例供覧」症例4は22才の女性で, 交通事故にて左肘関節を脱臼骨折した.
ISSN:0037-1033