まれなtypeの高分子GOT (酵素結合性免疫グロブリン症候群)の1症例
本態性高血圧症にて通院加療中の41才,主婦で,肝・筋の疾患がなく,血清GOT (glutamate oxaloacetate transaminase)値のみ異常高値(60~90IU/l, GOT/GPT比6.0, isozyme patternはmitochondrial-GOT; m-GOTが約80%)が持続し,諸種酵素免疫学的検索の結果, m-GOTとIgG (κ, λ)の複合体形成による高分子GOTと診断された.現在まで,各種酵素と免疫グロブリン(Ig)の複合体形成例は,酵素結合性免疫グロブリン症候群として多数報告されているが, GOTについては未だ世界で13例の報告にとどまる.しかも...
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Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 76; no. 4; pp. 570 - 574 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本内科学会
10.04.1987
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ISSN | 0021-5384 1883-2083 |
DOI | 10.2169/naika.76.570 |
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Summary: | 本態性高血圧症にて通院加療中の41才,主婦で,肝・筋の疾患がなく,血清GOT (glutamate oxaloacetate transaminase)値のみ異常高値(60~90IU/l, GOT/GPT比6.0, isozyme patternはmitochondrial-GOT; m-GOTが約80%)が持続し,諸種酵素免疫学的検索の結果, m-GOTとIgG (κ, λ)の複合体形成による高分子GOTと診断された.現在まで,各種酵素と免疫グロブリン(Ig)の複合体形成例は,酵素結合性免疫グロブリン症候群として多数報告されているが, GOTについては未だ世界で13例の報告にとどまる.しかもm-GOTとの結合は過去会にIgA結合型1例の報告をみるにすぎない.本例は世界でも初の結合型を示すものといえるが,他方本症候群の実体の詳細は未だ明らかでなく,ここでは過去の報告例との比較下に本例の特異性を検討した. |
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ISSN: | 0021-5384 1883-2083 |
DOI: | 10.2169/naika.76.570 |