回旋枝近位部 (segment 11) へのCABGを施行した重症三枝冠動脈疾患の一例

回旋枝 (LCx) への血行再建が key となる症例において, #11へCABGを施行した一例を報告する. 症例は74歳の女性. 冠動脈造影検査にて#2 100%, #7 100%, #9 90%, #11 90%の三枝病変を認めた. OMおよびPLは hypoplastic であり吻合は困難であると思われた. 左室駆出率は31%と低値であった. Tlシンチグラフィーでは前壁の一部および後側壁に viability を認めた. 手術は#11にSVGを単独で, #8・#9にSVGを sequential に吻合した. #11の露出には若干の工夫を要した. 血管径は大きく確実な吻合を行えた. 本...

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 27; no. 5; pp. 310 - 313
Main Authors 仲村, 輝也, 谷口, 和博, 九鬼, 覚, 高野, 弘志, 奥田, 彰洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 15.09.1998
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Summary:回旋枝 (LCx) への血行再建が key となる症例において, #11へCABGを施行した一例を報告する. 症例は74歳の女性. 冠動脈造影検査にて#2 100%, #7 100%, #9 90%, #11 90%の三枝病変を認めた. OMおよびPLは hypoplastic であり吻合は困難であると思われた. 左室駆出率は31%と低値であった. Tlシンチグラフィーでは前壁の一部および後側壁に viability を認めた. 手術は#11にSVGを単独で, #8・#9にSVGを sequential に吻合した. #11の露出には若干の工夫を要した. 血管径は大きく確実な吻合を行えた. 本方法は, LCx末梢病変がなく#11中枢側に高度な病変を認める場合や, OM, PLがともに run-off 不良なため吻合に適さない場合に有用な方法であると考えられた.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.27.310