経過中に短周期Cheyne-Stokesおよびsigh and rest呼吸が見られた脳幹梗塞の1例 その発生機序に関する検討

脳底動脈閉塞により臨床上locked-in syndromeを呈した症例の経過中に, 1周期30秒以内の短周期の規則正しいCheyne-Stokes呼吸, および正常呼吸が数分持続したのち, 大きな呼吸が1回のみ出現し, ついで10数秒間無呼吸が持続するのを1周期とする特異的な呼吸パターン, すなわち衣川らによる “sigh and rest” 呼吸1) の出現を認めた.短周期Cheyne-Stokes呼吸は橋延髄境界部を含む両側橋底部および被蓋部の広範な障害が臨床的に疑われる時期に, そして, “sigh and rest” 呼吸は両側橋底部の障害に加え, 被蓋部の部分的な障害が疑われる時期...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳卒中 Vol. 6; no. 4; pp. 531 - 537
Main Authors 山口, 武典, 長谷川, 泰弘, 里見, 真美子, 脇, 理一郎, 寺井, 敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 25.12.1984
Online AccessGet full text
ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.6.531

Cover

More Information
Summary:脳底動脈閉塞により臨床上locked-in syndromeを呈した症例の経過中に, 1周期30秒以内の短周期の規則正しいCheyne-Stokes呼吸, および正常呼吸が数分持続したのち, 大きな呼吸が1回のみ出現し, ついで10数秒間無呼吸が持続するのを1周期とする特異的な呼吸パターン, すなわち衣川らによる “sigh and rest” 呼吸1) の出現を認めた.短周期Cheyne-Stokes呼吸は橋延髄境界部を含む両側橋底部および被蓋部の広範な障害が臨床的に疑われる時期に, そして, “sigh and rest” 呼吸は両側橋底部の障害に加え, 被蓋部の部分的な障害が疑われる時期に出現した.本論文では, これらの呼吸パターンの責任病巣および発現機序などについて考察した.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.6.531