Desferrioxamine (DFO)による透析(HD)患者からのアルミニウム(Al)除去に関する薬理学的解析

HD患者の体内に蓄積し骨障害などをひき起こしているAlを除去するため, OFO投与により組織に沈着したAlを血中に溶出させ, それを大孔径膜によるHDで体外に除去するという治療方式を検討した。モデル系でのAlとDFOの相互作用も検討した。1) DFOとAlは水系で1:1コンプレックスを形成する(FAB-MS分析)。2) 逆相カラムを用いるHPLCで血中DFO濃度の分析ができる。3) DFO投与による血中Al値の上昇は, 体内に蓄積したAlレベルを反映しており, HD歴とよく相関する。4) DFO投与により血中Alが上昇した状態でAlのHD膜透過性が現われる。微少タンパクリーク膜(BK)のAlお...

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Published in人工臓器 Vol. 15; no. 3; pp. 1213 - 1218
Main Authors 国友, 哲之輔, 片岡, 浩, 酒井, 良忠, 斧原, 三恵子, 小林, 弘武, 酒井, 郁男, 杉崎, 弘章, 岩元, 則幸, 小野, 利彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.06.1986
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Summary:HD患者の体内に蓄積し骨障害などをひき起こしているAlを除去するため, OFO投与により組織に沈着したAlを血中に溶出させ, それを大孔径膜によるHDで体外に除去するという治療方式を検討した。モデル系でのAlとDFOの相互作用も検討した。1) DFOとAlは水系で1:1コンプレックスを形成する(FAB-MS分析)。2) 逆相カラムを用いるHPLCで血中DFO濃度の分析ができる。3) DFO投与による血中Al値の上昇は, 体内に蓄積したAlレベルを反映しており, HD歴とよく相関する。4) DFO投与により血中Alが上昇した状態でAlのHD膜透過性が現われる。微少タンパクリーク膜(BK)のAlおよびDFO透過性はセルロース膜のそれより有意に大きい。5) DFO投与直後その血中レベルは代謝によると思われる急激な低下を示すが, その後血中Al値の上昇とともに安定化し, 代謝されにくいコンプレックスの形成が示唆される。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.15.1213