脳卒中診療におけるチーム医療と地域連携の実現に向けて
「はじめに」脳卒中を担う, 急性期病院でのチーム医療の取り組みについて, 看護師の立場から, 報告します. 今, 脳卒中の診療体制は, 機能の分化連携のもと, 急性期・回復期・維持期の3つの病期に分けられ, 切れ目のない診療体制を整備するため, 脳卒中地域連携クリニカルパスを用いて情報の共有を図り, 地域完結型の脳卒中診療体制(図1)の構築の整備を進めています. しかし, 一連の連携体制は発展途上にあり医療機関の格差があるのが実情です. そうした中, 急性期病院では救命と並行して機能障害への対策が求められますが, 脳卒中という病態そのものが合併症の発生誘引になります. 脳卒中の治療には合併症予...
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Published in | 脳卒中 Vol. 32; no. 1; pp. 91 - 99 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脳卒中学会
2010
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ISSN | 0912-0726 |
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Summary: | 「はじめに」脳卒中を担う, 急性期病院でのチーム医療の取り組みについて, 看護師の立場から, 報告します. 今, 脳卒中の診療体制は, 機能の分化連携のもと, 急性期・回復期・維持期の3つの病期に分けられ, 切れ目のない診療体制を整備するため, 脳卒中地域連携クリニカルパスを用いて情報の共有を図り, 地域完結型の脳卒中診療体制(図1)の構築の整備を進めています. しかし, 一連の連携体制は発展途上にあり医療機関の格差があるのが実情です. そうした中, 急性期病院では救命と並行して機能障害への対策が求められますが, 脳卒中という病態そのものが合併症の発生誘引になります. 脳卒中の治療には合併症予防として3大合併症(肺炎・尿路感染症・褥瘡)と廃用症候群と総称される筋の萎縮と関節の拘縮や精神機能の低下があります. 予防は入院したその時からの対策がいずれも重要になります. 対策が遅れることで3大合併症を発生させ, 結果, 入院期間を延長させ短期間で拘縮や廃用症候群を惹き起こし病態の安定化に時間を要します. |
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ISSN: | 0912-0726 |