術中,術後の呼吸管理にヘパリン結合体外式肺補助(ECLA)を併用した小児肺葉肺気腫の1症例

先天性右横隔膜ヘルニアの術後に肺葉肺気腫を生じた生後106日の女児に,右肺中・下葉切除術が予定された.生下時より高頻度人工換気による呼吸管理を受けていたが,肺葉肺気腫は次第に増悪し,PaO2/FIO2は80mm Hg以下,PaCO2は100mm Hg以上を示すようになった.人工呼吸単独では術中,術後のガス交換が不十分になると判断し,ヘパリン結合膜型人工肺を用いた体外式肺補助(ECLA)を併用して呼吸管理を行なった.術中に肺葉切断面から多量の血液が健側肺へ流れ込み,ガス交換のほとんどをECLAに依存する状況となった.本症例では,術中,術後の生命維持にECLAは不可欠であったと考えられた....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 18; no. 4; pp. 394 - 398
Main Authors 土手, 健太郎, 紀伊, 典克, 津野, 恭司, 安部, 桂, 萬家, 俊博, 新井, 達潤
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.05.1998
Subjects
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.18.394

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Summary:先天性右横隔膜ヘルニアの術後に肺葉肺気腫を生じた生後106日の女児に,右肺中・下葉切除術が予定された.生下時より高頻度人工換気による呼吸管理を受けていたが,肺葉肺気腫は次第に増悪し,PaO2/FIO2は80mm Hg以下,PaCO2は100mm Hg以上を示すようになった.人工呼吸単独では術中,術後のガス交換が不十分になると判断し,ヘパリン結合膜型人工肺を用いた体外式肺補助(ECLA)を併用して呼吸管理を行なった.術中に肺葉切断面から多量の血液が健側肺へ流れ込み,ガス交換のほとんどをECLAに依存する状況となった.本症例では,術中,術後の生命維持にECLAは不可欠であったと考えられた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.18.394