乳腺管状癌 (pure type) の1例

患者は51歳,女性.平成11年12月,他院にて超音波下吸引細胞診でclassV (ductalcarcinoma)と診断され,手術目的で当センターへ紹介となった. MMGでは病変を描出することが出来なかったが,超音波検査では左乳腺1時方向に大きさ8mm大,辺縁一部不整, D/W比の大きい腫瘤を認めた.胸部・腹部・骨盤CT, 骨シンチでは異常を認めなかった. T1N0M0病期Iと診断し,平成12年2月14日にBp+Axの手術を施行し,術後は放射線療法を追加した.組織学的には核異型に乏しい一層の上皮が, apicalsnoutsを伴う良く開いた管腔形成を形成している所見が観察され,管状癌と診断され...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 63; no. 2; pp. 311 - 315
Main Authors 甲斐, 敏弘, 竹元, 伸之, 櫻木, 雅子, 住永, 佳久, 清崎, 浩一, 小西, 文雄, 吉田, 卓義
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床外科学会 25.02.2002
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.63.311

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Summary:患者は51歳,女性.平成11年12月,他院にて超音波下吸引細胞診でclassV (ductalcarcinoma)と診断され,手術目的で当センターへ紹介となった. MMGでは病変を描出することが出来なかったが,超音波検査では左乳腺1時方向に大きさ8mm大,辺縁一部不整, D/W比の大きい腫瘤を認めた.胸部・腹部・骨盤CT, 骨シンチでは異常を認めなかった. T1N0M0病期Iと診断し,平成12年2月14日にBp+Axの手術を施行し,術後は放射線療法を追加した.組織学的には核異型に乏しい一層の上皮が, apicalsnoutsを伴う良く開いた管腔形成を形成している所見が観察され,管状癌と診断された.管状癌は閉経前患者に好発し予後は比較的良好な乳癌であるが,本症例のように硬化性腺症・閉塞性腺症など良性疾患の既往のある症例が多く鑑別診断が重要である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.63.311