多層膜スーパーミラー硬X線望遠鏡

硬X線領域(10-100keV)での天体の撮像観測をするために,ブラッグ反射を利用して,多層膜ミラーを広帯域化した白金/炭素(Pt/C)多層膜スーパーミラーを開発し,20-40keVに高い感度を持つ硬X線望遠鏡を実現した.スーパーミラーは,周期長と積層数の異なるPt/Cの多層膜を円錐形状の薄板レプリカ基板上に1順次積層したもので,光電吸収が効かなくなる硬X線領域で有効となる.この望遠鏡は口径40cm,焦点距離8mで,2,040枚の薄板ミラーが同心円,共焦点配置に組み込まれ,30keVで有効面積50cm2,結像性能2.4分角(HPD)となる.これを気球に搭載して,X線天体(Cyg X-1)の硬x...

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Published in日本物理学会誌 Vol. 59; no. 2; pp. 77 - 83
Main Authors 山下, 広順, 国枝, 秀世, 田原, 譲, 難波, 義治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本物理学会 05.02.2004
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Summary:硬X線領域(10-100keV)での天体の撮像観測をするために,ブラッグ反射を利用して,多層膜ミラーを広帯域化した白金/炭素(Pt/C)多層膜スーパーミラーを開発し,20-40keVに高い感度を持つ硬X線望遠鏡を実現した.スーパーミラーは,周期長と積層数の異なるPt/Cの多層膜を円錐形状の薄板レプリカ基板上に1順次積層したもので,光電吸収が効かなくなる硬X線領域で有効となる.この望遠鏡は口径40cm,焦点距離8mで,2,040枚の薄板ミラーが同心円,共焦点配置に組み込まれ,30keVで有効面積50cm2,結像性能2.4分角(HPD)となる.これを気球に搭載して,X線天体(Cyg X-1)の硬x線の撮像観測が行われた.
ISSN:0029-0181
2423-8872
DOI:10.11316/butsuri1946.59.77