非開胸食道抜去術による下咽頭・頸部食道癌切除例の臨床病理学的検討
下咽頭頸部食道癌33例に対し両側根治的頸部郭清, 喉頭全摘, 患側甲状腺切除, 非開胸食道抜去, 後縦隔経路・咽頭胃管 (結腸) 吻合および術前後の放射線・化学療法を行い次の結果を得た.(1) 33例中31例は軽快退院したが, 術死2例 (6.1%) を認めた.(2) stage III・IVの症例が21例 (63.6%) を占めたを全例のリンパ節転移率は54.5% (18/33), 転移度は5.7% (39/690) で, #102, #101の転移が多かった.4例 (12.1%) の抜去食道に深達度ep~mmの表在癌の重複を認めた.(3) 5生率は下咽頭限局癌44.4%, 狭義の下咽頭頸部...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 25; no. 3; pp. 749 - 755 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.03.1992
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Summary: | 下咽頭頸部食道癌33例に対し両側根治的頸部郭清, 喉頭全摘, 患側甲状腺切除, 非開胸食道抜去, 後縦隔経路・咽頭胃管 (結腸) 吻合および術前後の放射線・化学療法を行い次の結果を得た.(1) 33例中31例は軽快退院したが, 術死2例 (6.1%) を認めた.(2) stage III・IVの症例が21例 (63.6%) を占めたを全例のリンパ節転移率は54.5% (18/33), 転移度は5.7% (39/690) で, #102, #101の転移が多かった.4例 (12.1%) の抜去食道に深達度ep~mmの表在癌の重複を認めた.(3) 5生率は下咽頭限局癌44.4%, 狭義の下咽頭頸部食道癌18.2%, 頸部食道限局癌55.6%で, 咽頭食道接合部にまたがる癌が予後不良であった.またn因子とa因子で予後を比較した場合, 前者に再発死亡を多く認めた.(4) stage III, IV16例では術前照射の組織学的効果と予後との間に有意の関連を認めた.以上より, 本術式は根治性・安全性において優れた術式であるが, 咽頭食道接合部にかかる癌はretropharyngeal spaceに対する郭清および照射野の拡大が必要である. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.25.749 |