肝細胞癌の治療戦略―肝切除and/orマイクロ波凝固壊死療法

「緒言」2005年版肝癌診療ガイドライン中に肝細胞癌(HCC)治療アルゴリズムが提示されているが, 肝障害度B, 腫瘍径2cm以内単発という条件付きながら初めて局所療法が肝切除(Hr)と並んで推奨された1). これまでHCCに対して最も根治性の期待できる治療法, すなわちゴールデンスタンダードは, 唯一Hrであると長く信じられてきた時代から見て大きな変化であった. それから早3年が経過したが, この間ラジオ波焼灼療法(RFA)は各施設から5年生存率が報告されるようになり, また経皮的エタノール注入療法(PEIT)より優れた治療法であることがRCTで明らかにされた2). さらに最近では, RFA...

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Published inJournal of Microwave Surgery Vol. 26; pp. 73 - 78
Main Authors 河野, 修三, 才津, 秀樹, 和田, 幸之, 龍, 知記, 高見, 裕子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 Microwave Surgery研究会 2008
メディカルレビュー社
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ISSN0917-7728
1882-210X
DOI10.3380/jmicrowavesurg.26.73

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Summary:「緒言」2005年版肝癌診療ガイドライン中に肝細胞癌(HCC)治療アルゴリズムが提示されているが, 肝障害度B, 腫瘍径2cm以内単発という条件付きながら初めて局所療法が肝切除(Hr)と並んで推奨された1). これまでHCCに対して最も根治性の期待できる治療法, すなわちゴールデンスタンダードは, 唯一Hrであると長く信じられてきた時代から見て大きな変化であった. それから早3年が経過したが, この間ラジオ波焼灼療法(RFA)は各施設から5年生存率が報告されるようになり, また経皮的エタノール注入療法(PEIT)より優れた治療法であることがRCTで明らかにされた2). さらに最近では, RFAによりHrに勝るとも劣らない治療成績を得るようになった施設もある. ところで, 我々は局所療法としてRFAが注目されるようになったはるか以前より, HCCに対してマイクロ波凝固壊死療法(MCN)とHrを使い分ける治療戦略で臨み, その有用性をうたってきた.
ISSN:0917-7728
1882-210X
DOI:10.3380/jmicrowavesurg.26.73