透析中の亜鉛の動態(Zn Dialysance)

透析中の亜鉛の動態について、特にdialysanceの概念を中心として検討した。15症例の慢性腎不全患者の透析中のdialysanceは平均-11.41ml/minであった。15例の血流平均値は126ml/minであった。15例中1例はdialysanceは0, 他の1例は1.95ml/minで他の13例は負であった。亜鉛は透析膜からは遊離しないので、dialysanceが負であることはZnが透析液より血中の移動していること及び濃縮が起こり、このためdialyzer通過後血清亜鉛値が上昇していることが示される。こめことを実際の透析液のZnやHct値、T・P値をしらべることにより実証した。亜鉛の...

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Published in人工臓器 Vol. 14; no. 1; pp. 199 - 201
Main Authors 細川, 進一, 西谷, 裕, 富田, 耕彬, 西尾, 利二, 友吉, 唯夫, 野中, 優, 沢西, 謙次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.02.1985
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Summary:透析中の亜鉛の動態について、特にdialysanceの概念を中心として検討した。15症例の慢性腎不全患者の透析中のdialysanceは平均-11.41ml/minであった。15例の血流平均値は126ml/minであった。15例中1例はdialysanceは0, 他の1例は1.95ml/minで他の13例は負であった。亜鉛は透析膜からは遊離しないので、dialysanceが負であることはZnが透析液より血中の移動していること及び濃縮が起こり、このためdialyzer通過後血清亜鉛値が上昇していることが示される。こめことを実際の透析液のZnやHct値、T・P値をしらべることにより実証した。亜鉛のdialysanceは迎清亜鉛の中で非蛋白結合部分のfree diffusible亜鉛と良い正の相関を認めた。透析中の血清亜鉛濃度は拡散と濃縮により大きく上昇し、透析前74.0±7.8μg/dlから88.1±9.7μg/dlへと有意に上昇した。亜鉛のdialysanceは15例中13例が負であった。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.14.199