遠心式血液ポンプ(Bio-pump)を用いたV-Aバイパスの実験的研究

下行大動脈遮断中の補助循環として、血液酸素化装置は用いず、遠心式血液ポンプを使用し、静脈血を還流させるveno-arterial bypass法を行い、術後の臓器障害等について実験的に検討を行った。雑種成犬を用い、veno-arterial bypassを10例(V-A群)、この対照に左心バイパスを4例(A-A群)に行った。大動脈遮断は2時間行い、中枢側と末梢側の動脈圧、血液ガス、術前後のトランスアミナーゼ、尿素窒素、クレアチニン、CPK、LDHを経時的に測定した。術後1~2週間後に犠牲死せしめ、肝、腎の組織について塞栓の有無を検索した。 V-A群の送血血液のPaO2、酸素飽和度はA-A群に比...

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Published in人工臓器 Vol. 19; no. 1; pp. 485 - 488
Main Authors 浅井, 忠彦, 加藤, 量平, 数井, 秀器, 土岡, 弘通, 保坂, 実, 池内, 克彦, 太田, 敬, 上床, 邦彦, 近藤, 三隆, 朴, 一彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.02.1990
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.19.485

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Summary:下行大動脈遮断中の補助循環として、血液酸素化装置は用いず、遠心式血液ポンプを使用し、静脈血を還流させるveno-arterial bypass法を行い、術後の臓器障害等について実験的に検討を行った。雑種成犬を用い、veno-arterial bypassを10例(V-A群)、この対照に左心バイパスを4例(A-A群)に行った。大動脈遮断は2時間行い、中枢側と末梢側の動脈圧、血液ガス、術前後のトランスアミナーゼ、尿素窒素、クレアチニン、CPK、LDHを経時的に測定した。術後1~2週間後に犠牲死せしめ、肝、腎の組織について塞栓の有無を検索した。 V-A群の送血血液のPaO2、酸素飽和度はA-A群に比べ著明に低値を示したが、術後に対麻痺等の合併症を発生したものはなく、術後の血清生化学検査では両群間に有意差は認めず、また組織学的に明らかな塞栓を有するものもなかった。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.19.485