大腿骨頚部外側骨折に対するCHSの工夫

「はじめに」当院では, 大腿骨頚部外側骨折に対しcompression hip screw(以下CHS)を行っているが, 体位と術前作図の工夫を行い手術時間の短縮とX線被爆を最小にすることができたので報告する. 「方法」1)体位 一般的な手術体位は下肢牽引装置を用い健側を挙上する方法であるが, やや煩雑で準備に時間がかかるため, 当院ではブラウン架台に患肢を乗せ直達牽引下に行っている. 反対側の骨盤と重ならず側面像を鮮明に確認できるように, 患側の背部から骨盤背側に枕を入れ30度程の半側臥位とした(図1). また, ガイドピンを刺入しやすくするために, 頚部軸と骨幹軸が一直線となるよう大腿骨の...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 50; no. 2; pp. 458 - 461
Main Authors 牟田實, 園田昭彦, 室屋誠, 岸本浩, 内野潔, 西村謙一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2001
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Summary:「はじめに」当院では, 大腿骨頚部外側骨折に対しcompression hip screw(以下CHS)を行っているが, 体位と術前作図の工夫を行い手術時間の短縮とX線被爆を最小にすることができたので報告する. 「方法」1)体位 一般的な手術体位は下肢牽引装置を用い健側を挙上する方法であるが, やや煩雑で準備に時間がかかるため, 当院ではブラウン架台に患肢を乗せ直達牽引下に行っている. 反対側の骨盤と重ならず側面像を鮮明に確認できるように, 患側の背部から骨盤背側に枕を入れ30度程の半側臥位とした(図1). また, ガイドピンを刺入しやすくするために, 頚部軸と骨幹軸が一直線となるよう大腿骨の内外旋を調整した. 2)作図方法 術前にあらかじめ135度の角度をつけたK銅線を作成しておき, 透視前後像を見ながらK鋼線をあて, K鋼線の曲がりの部分をガイドピンの刺入部とし, ここから大腿軸に垂線を引いておく(図2a, b). 次に透視側面像を見ながら頚部軸中央にK鋼線を置き直線を引く.
ISSN:0037-1033