陰イオン交換樹脂(IONEX)を用いた生体よりのHeparin除去

陰イオン交換樹脂(IONEX)を用いたDirect hemoperfusionにて、生体内に投与されたヘパリンを除去するための基礎的検討を行なった。in vivo実験にて、雑種成犬19頭に、250U/kgもしくは500U/kgのヘパリンを投与し、Hemocron activated coagulation timeを用いてヘパリン濃度を経時的に測定し、コントロール群とした。IONEXを用いてDHPを施行し、コントロール群と比較した。(1)コントロール群ではヘパリン投与後、血中濃度は4.3U/ml(500U/kg投与)および1.3U/ml(250U/kg投与)と急激に上昇した後徐々に低下するが、...

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Published in人工臓器 Vol. 16; no. 1; pp. 486 - 489
Main Authors 沼, 謙司, 吉岡, 豊一, 花沢, 一芳, 遠藤, 善裕, 国吉, 葉子, 谷, 徹, 小玉, 正智, 松田, 孝一, 岡藤, 太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.02.1987
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.16.486

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Summary:陰イオン交換樹脂(IONEX)を用いたDirect hemoperfusionにて、生体内に投与されたヘパリンを除去するための基礎的検討を行なった。in vivo実験にて、雑種成犬19頭に、250U/kgもしくは500U/kgのヘパリンを投与し、Hemocron activated coagulation timeを用いてヘパリン濃度を経時的に測定し、コントロール群とした。IONEXを用いてDHPを施行し、コントロール群と比較した。(1)コントロール群ではヘパリン投与後、血中濃度は4.3U/ml(500U/kg投与)および1.3U/ml(250U/kg投与)と急激に上昇した後徐々に低下するが、60分後2.6U/ml/(500U/kg)および08U/ml(250U/kg)が残存する。(2)DHPにより開始後15~60分にかけて、コントロール群と比べ血中ヘパリン濃度は有意に低下した。また(3)ヘパリン濃度が高いほどIONEXによる吸着効率が高い傾向を示した。上記結果は生体内のヘパリン除去の可能性を支持し、さらに血液灌流型人工臓器の回路終末に組み込んで返血前にヘパリンを除去をする材料として、IONEXは有効であると思われた。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.16.486