術後肝不全に対するDirect hemoperfusion (Charcoal hemoperfusion)の検討

術後肝不全としてCHPと他の療法を7例に施行した。CHP施行後意識の改善を認めた2例は合併症がなかった。coma gradeはMolar ratioと相関関係があると考えられるが, アミノグラムはすぐに結果が得られず, 実際には総ビリルビン値がcoma gradeと相関し, 指標とする事ができた。また, プロトロンビン時間はCHP施行によって改善されない。意識の改善を認めた症例ではCHPを施行することによりAAA(芳香族アミノ酸)は変化せず, BCAA(分枝アミノ酸)が増加して正常化して来る事から, BCAAの筋における何らかの代謝が改善すると考えられた。残存する肝細胞の機能が最も重要である事...

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Published in人工臓器 Vol. 14; no. 1; pp. 271 - 274
Main Authors 善山, 金彦, 中嶋, 真, 太田, 秀男, 渡辺, 敢仁, 石井, 淳一, 帆刈, 睦男, 久保田, 和義, 小池, 正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.02.1985
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.14.271

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Summary:術後肝不全としてCHPと他の療法を7例に施行した。CHP施行後意識の改善を認めた2例は合併症がなかった。coma gradeはMolar ratioと相関関係があると考えられるが, アミノグラムはすぐに結果が得られず, 実際には総ビリルビン値がcoma gradeと相関し, 指標とする事ができた。また, プロトロンビン時間はCHP施行によって改善されない。意識の改善を認めた症例ではCHPを施行することによりAAA(芳香族アミノ酸)は変化せず, BCAA(分枝アミノ酸)が増加して正常化して来る事から, BCAAの筋における何らかの代謝が改善すると考えられた。残存する肝細胞の機能が最も重要である事から, 肝硬変合併切除例では, 残存肝細胞機能を考えた手術適応が大切であり, 長期的には残存する肝細胞の賦活を促す確実な治療法を開発する事が必要であろうと考えられる。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.14.271