LDL吸着療法(LDL-A)における血清脂質動態に関する検討

LDL吸着療法(LDL-A)を施行した高脂血症患者8名を対象に、LD-A治療後の血清脂質の動態(rebound)を観察した。またone-compartment modelを用いたコレステロール動態のモデル化を行い、Time average concentration (TAC)による治療効果の評価、及びLDL-Aの至適治療間隔を求める試みを行った。IDLA治療後、血清LDLは約7日後には前値に回復し、半数以上の症例で7日以降治療前値よりも上昇した。血清総コレステロール(TC)の14日間におけるTACは、LDI1A治療前のTCに比し、約15%低値だった。TCを240mg/dl以下に保つために、家...

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Published in人工臓器 Vol. 25; no. 3; pp. 697 - 701
Main Authors 中尾, 俊之, 岡田, 知也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.06.1996
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.25.697

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Summary:LDL吸着療法(LDL-A)を施行した高脂血症患者8名を対象に、LD-A治療後の血清脂質の動態(rebound)を観察した。またone-compartment modelを用いたコレステロール動態のモデル化を行い、Time average concentration (TAC)による治療効果の評価、及びLDL-Aの至適治療間隔を求める試みを行った。IDLA治療後、血清LDLは約7日後には前値に回復し、半数以上の症例で7日以降治療前値よりも上昇した。血清総コレステロール(TC)の14日間におけるTACは、LDI1A治療前のTCに比し、約15%低値だった。TCを240mg/dl以下に保つために、家族性高脂血症に対しては7~14日間隔、原発性ネフローゼ症候群に対しては7日間隔以内でLDL-Aを行う必要があると考えられた。各症例におけるLDL-Aの治療効果を評価する上で、治療後のreboundの観察が必要であり、そのモデル化は有用と考えられた。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.25.697