インスタント・ティーの吸湿性について

真空および凍結乾燥法で製造した各種インスタント・ティーを用い,25℃における平衡水分および短時間内における吸湿水分量を調べるとともに,吸湿に伴う形態的変化を肉眼で観察し,つぎのような結果を得た。 (1) インスタント・ティーはインスタント・コーヒーより平衡水分がわずかに高かったが,茶種別にはほとんど差がなかった。また各種インスタント・ティーとも凍結乾燥製品のほうが真空乾燥のものより平衡水分がわずかに高かった。 (2) 温度25℃においては,インスタント紅茶で水分6%以上,煎茶およびほうじ茶では8%以上吸湿すると固結した。このような変化を防止し,インスタント・ティーを安全に取り扱うためにはその平...

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Published in日本食品工業学会誌 Vol. 12; no. 6; pp. 234 - 238
Main Authors 久保田, 悦郎, 原, 利男, 古谷, 弘三
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 社団法人 日本食品科学工学会 15.06.1965
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Summary:真空および凍結乾燥法で製造した各種インスタント・ティーを用い,25℃における平衡水分および短時間内における吸湿水分量を調べるとともに,吸湿に伴う形態的変化を肉眼で観察し,つぎのような結果を得た。 (1) インスタント・ティーはインスタント・コーヒーより平衡水分がわずかに高かったが,茶種別にはほとんど差がなかった。また各種インスタント・ティーとも凍結乾燥製品のほうが真空乾燥のものより平衡水分がわずかに高かった。 (2) 温度25℃においては,インスタント紅茶で水分6%以上,煎茶およびほうじ茶では8%以上吸湿すると固結した。このような変化を防止し,インスタント・ティーを安全に取り扱うためにはその平衡水分から許容限界湿度は約40%,理想的には湿度20%以下の条件がよいようであった。 (3) 各種インスタント・ティーとも凍結乾燥製品のほうが真空乾燥のものより短時間内における吸湿水分量が大きかった。しかし,固結現象は真空乾燥のものが凍結乾燥のものより低水分で現われ,固結しやすいようであった。 (4) 粒度の大小による吸湿速度の差は認められなかった。
ISSN:0029-0394
DOI:10.3136/nskkk1962.12.234