有効降雨の成分分離と浸透現象

降雨-流出現象の最も著しい特性は、その非線型性にある。こうした非線型性の原因は、従来は表面流出系の非線型性によるものとみなされていることが多かったが、それよりも、むしろ降雨の各流出系 (表面流出、中間流出、地下水流出) への配分の仕方、すなわち降雨の成分分離則の非線型性にあると考えてよいのではないかというのが著者らのフィルター分離AR法 (逆探法) による流出解析からの結論である。 さて、この手法で解析された推定有効降雨と実測有効降雨時系列 (観測降雨時系列に実測の降雨および流出量から求まる流出率fを乗じたもの) とは、比較的良い一致を示した。従って、推定した有効降雨の各成分 (地下水、表面、...

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Published in水理講演会論文集 Vol. 27; pp. 401 - 404
Main Authors 日野, 幹雄, 長谷部, 正彦
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 土木学会 17.01.1983
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ISSN0913-4131
1884-9164
DOI10.2208/prohe1975.27.401

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Summary:降雨-流出現象の最も著しい特性は、その非線型性にある。こうした非線型性の原因は、従来は表面流出系の非線型性によるものとみなされていることが多かったが、それよりも、むしろ降雨の各流出系 (表面流出、中間流出、地下水流出) への配分の仕方、すなわち降雨の成分分離則の非線型性にあると考えてよいのではないかというのが著者らのフィルター分離AR法 (逆探法) による流出解析からの結論である。 さて、この手法で解析された推定有効降雨と実測有効降雨時系列 (観測降雨時系列に実測の降雨および流出量から求まる流出率fを乗じたもの) とは、比較的良い一致を示した。従って、推定した有効降雨の各成分 (地下水、表面、中間流出成分) 時系列が信頼できるので、本研究では、この推定有効降雨成分時系列と観測降雨時系列とから、有効降雨の成分分離則の推定と時間とともに変化する流出寄与域、すなわち、partial source avea概念を実データによる本解析法から検討する。
ISSN:0913-4131
1884-9164
DOI:10.2208/prohe1975.27.401