第5回 体表心臓微小電位研究会 シンポジウム 加算平均心電図の再現性をめぐって 高血圧性心疾患における発作性心房細動の検討 P波同期式加算平均心電図を用いて

目的:高血圧性心疾患(HT)においてP波同期式加算平均心電図(SAE)を用い,心房性遅延電位(a-LP)の有無と発作性心房細動(Paf)出現とその背景因子について検討した.対象と方法:HT36例(男22例,女14例,平均年齢63.1±12.4歳)にSAE(使用機器フクダVCM3000)を施行し,FPD>125 msecまたはLASs>28msecを満たすものをa-LP陽性と判定.心エコーにおける左房径,左室壁厚,平均血圧,Paf出現の有無について比較検討した.結果:陽性群22例,陰性群14例で年齢,性別に差はなかった.左房径は陽性群で有意に大きく(p<0.05),左室壁厚は両...

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Published in心臓 Vol. 27; no. Supplement7; pp. 102 - 105
Main Authors 塚原, 玲子, 斎藤, 徹, 上嶋, 権兵衛, 高良, 洋子, 秋元, 奈保子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 25.12.1995
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.27.Supplement7_102

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Summary:目的:高血圧性心疾患(HT)においてP波同期式加算平均心電図(SAE)を用い,心房性遅延電位(a-LP)の有無と発作性心房細動(Paf)出現とその背景因子について検討した.対象と方法:HT36例(男22例,女14例,平均年齢63.1±12.4歳)にSAE(使用機器フクダVCM3000)を施行し,FPD>125 msecまたはLASs>28msecを満たすものをa-LP陽性と判定.心エコーにおける左房径,左室壁厚,平均血圧,Paf出現の有無について比較検討した.結果:陽性群22例,陰性群14例で年齢,性別に差はなかった.左房径は陽性群で有意に大きく(p<0.05),左室壁厚は両群間で差はなかった.収縮期血圧,拡張期血圧ともに陽性群で高い傾向がみられた.Pafは陽性群にのみ4例みられた.また,FPDは左房径と有意な正の相関関係が見られた.考察:HTにおいて左房負荷がみられるものにPaf出現が予測され,またFPDは左房負荷の良い指標となりうることが示唆された.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.27.Supplement7_102