鈍的胸部外傷による気管内出血に対する手術的治療と保存的治療

鈍的胸部外傷の局所症状のなかで, 気管内出血の持続は窒息死に至る可能性の大きい危険な症状である。われわれの経験した症例のうち8例では, 可動性プロッカー付気管内チューブ (ユニベント) を用いて早期に受傷肺と健常肺を分離することにより, 呼吸管理がきわめて容易となり, ひき続き手術を行った場合も, 保存的止血を試みた場合も, 気管内出血とその原因である肺損傷に関しては全例制御できた.死亡したのは肺分離時にすでに脳死の状態であった2例のみで, 残る6例は救命することができた....

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 呼吸器外科 Vol. 1; no. 2; pp. 112 - 118
Main Authors 稲村, 俊一, 正津, 晃, 鈴木, 一郎, 金渕, 一雄, 井上, 宏司, 川田, 志明, 小出, 司郎策, 井上, 博元, 小川, 純一, 桜井, 与志彦
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 31.12.1987
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ISSN0917-4141
1884-1724
DOI10.2995/jacsurg1987.1.112

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Summary:鈍的胸部外傷の局所症状のなかで, 気管内出血の持続は窒息死に至る可能性の大きい危険な症状である。われわれの経験した症例のうち8例では, 可動性プロッカー付気管内チューブ (ユニベント) を用いて早期に受傷肺と健常肺を分離することにより, 呼吸管理がきわめて容易となり, ひき続き手術を行った場合も, 保存的止血を試みた場合も, 気管内出血とその原因である肺損傷に関しては全例制御できた.死亡したのは肺分離時にすでに脳死の状態であった2例のみで, 残る6例は救命することができた.
ISSN:0917-4141
1884-1724
DOI:10.2995/jacsurg1987.1.112