モヤモヤ病の疫学 ウィリス動脈輪閉塞症の病因・病態に関する研究班調査結果報告
「はじめに」モヤモヤ病については診断, 治療, 予後に関して様々な検討が行われ, 厚生科学研究研究費補助金特定疾患対策研究事業として全国的な研究班活動が行われている. 本研究班における班員, 研究協力者およびその関連施設を対象とした全国調査が1983年より継続して行われており, 登録患者数も増加してきた1). これらの蓄積をもとに, 本疾患の病態把握が可能となってきたが, 正確な発生数, 治療現況, 長期予後についての病態解明についてはいまだ不十分な部分も多い, 今回, これまでの当研究班における患者調査集計結果の分析を, 特に明確な病態解明がなされていない出血発症患者を中心に試みた. 一方,...
Saved in:
Published in | 脳卒中 Vol. 24; no. 4; pp. 475 - 479 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
25.12.2002
日本脳卒中学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.24.475 |
Cover
Summary: | 「はじめに」モヤモヤ病については診断, 治療, 予後に関して様々な検討が行われ, 厚生科学研究研究費補助金特定疾患対策研究事業として全国的な研究班活動が行われている. 本研究班における班員, 研究協力者およびその関連施設を対象とした全国調査が1983年より継続して行われており, 登録患者数も増加してきた1). これらの蓄積をもとに, 本疾患の病態把握が可能となってきたが, 正確な発生数, 治療現況, 長期予後についての病態解明についてはいまだ不十分な部分も多い, 今回, これまでの当研究班における患者調査集計結果の分析を, 特に明確な病態解明がなされていない出血発症患者を中心に試みた. 一方, 当研究班の登録患者数は全国の約4~6分の1に相当し, 国内全患者数を把握してはいないことより, 患者発生率, 病態の実像に近づくには精密調査が必要と考えた. モヤモヤ病患者の発症状況, 治療効果, 治療予後の判定資料として, 疾患の重症度, 罹患率, 予後について指定モデル県(熊本県, 岡山県, 宮城県)において全症例を遺漏無く把握すべく, 発症後10年以上経過した症例の長期予後調査と, 過去3年間のモヤモヤ病患者の現状について検討した. |
---|---|
ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.24.475 |