喫煙と体重
35∼49歳までの飲酒習慣を有しない健康な男性2,146人を対象に喫煙習慣と体重との関係について調査した。 喫煙群の体重は,一日当たりの喫煙本数が増すに従って増加し,21∼30本/日,31∼40本/日および41本以上/日喫煙群の平均体重は,非喫煙群に比し,それぞれ0.6kg,1.3kg,2.5kgずつ重かった。体重におけると同様の正の量-反応関係が皮下脂肪厚と肥満指数(体重/身長2)にも認められた。三つの血清中非蛋白性含窒素終末代謝産物,即ち,クレアチニン,尿酸,尿素窒素の各喫煙カテゴリーにおける値の分布は互いに異なっていた。血清クレアチニン値は各喫煙カテゴリーでほぼ同一の値を示し,血清尿酸値...
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Published in | 日本衛生学雑誌 Vol. 43; no. 4; pp. 901 - 906 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | English |
Published |
一般社団法人日本衛生学会
15.10.1988
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0021-5082 1882-6482 |
DOI | 10.1265/jjh.43.901 |
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Summary: | 35∼49歳までの飲酒習慣を有しない健康な男性2,146人を対象に喫煙習慣と体重との関係について調査した。 喫煙群の体重は,一日当たりの喫煙本数が増すに従って増加し,21∼30本/日,31∼40本/日および41本以上/日喫煙群の平均体重は,非喫煙群に比し,それぞれ0.6kg,1.3kg,2.5kgずつ重かった。体重におけると同様の正の量-反応関係が皮下脂肪厚と肥満指数(体重/身長2)にも認められた。三つの血清中非蛋白性含窒素終末代謝産物,即ち,クレアチニン,尿酸,尿素窒素の各喫煙カテゴリーにおける値の分布は互いに異なっていた。血清クレアチニン値は各喫煙カテゴリーでほぼ同一の値を示し,血清尿酸値は,11∼20本/日喫煙群を底とするV型曲線を示した。尿素窒素は喫煙量に比例して減少した。以上の成績から,一日一箱以上喫煙する者の体重は増加する傾向にあり,これには,シガレット煙に対する内分泌反応の寄与していることが示唆された。 |
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ISSN: | 0021-5082 1882-6482 |
DOI: | 10.1265/jjh.43.901 |