遺伝子診断,遺伝子研究のための患者などからの検体採取についてのガイドライン作成 国立循環器病センターでの取り組み

分子生物学の進歩とその応用である遺伝子検査・研究は多くの疾患の新治療法開発の重要なきっかけとなっているが, 遺伝子検査は他の検査と異なり, 家族についての情報も含まれ, 保因者診断, 発症前診断にも用いられ, 検査に特殊性がある. そこで, 国立循環器病センターでは本人や家族のプライバシーを最大限に保護するために, インフォームドコンセントの取り方, 遺伝子検査研究についての取り扱い方について施設としての基準(ガイドライン)を定めた. この基準は平成10年11月に「国立循環器病センターにおける遺伝子検査のための患者・被検者からの検体採取・保管についての取り扱い基準」として国立循環器病センター倫...

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Published in医療 Vol. 54; no. 1; pp. 27 - 29
Main Authors 森崎, 隆幸, 由谷, 親夫, 千葉, 喜英, 田辺, 忠, 宮武, 邦夫, 加藤, 久雄, 峰松, 一夫, 原納, 優, 瀧下, 修一, 八木原, 俊克, 緒方, 絢, 馬場, 俊六, 村上, 雅義
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 20.01.2000
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Summary:分子生物学の進歩とその応用である遺伝子検査・研究は多くの疾患の新治療法開発の重要なきっかけとなっているが, 遺伝子検査は他の検査と異なり, 家族についての情報も含まれ, 保因者診断, 発症前診断にも用いられ, 検査に特殊性がある. そこで, 国立循環器病センターでは本人や家族のプライバシーを最大限に保護するために, インフォームドコンセントの取り方, 遺伝子検査研究についての取り扱い方について施設としての基準(ガイドライン)を定めた. この基準は平成10年11月に「国立循環器病センターにおける遺伝子検査のための患者・被検者からの検体採取・保管についての取り扱い基準」として国立循環器病センター倫理委員会にて承認され, 臨床遺伝子管理・検査室が設置された. また, 別に, 検診受診者など本来正常な個人からの遺伝子検査・研究のための検体採取についての取り扱い基準を定め, 平成11年10月に国立循環器病センター倫理委員会で承認された. 今後, 運用上の問題点を改善していくことが必要と考えられる.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.54.27