汎血球減少の自然寛解後に発症した急性骨髄性白血病 (FAB : M0) の1例

患児は11カ月の男児で, 生後10カ月時に汎白血球減少のため当科へ入院した.白血球数2,630/μl, 血色素7.4g/dl, 血小板数16,000/μlで, 骨髄中に芽球が7.4%みられた.汎血球減少は無治療で改善し, 骨髄中の芽球も消失した.1月後に肛門周囲膿瘍で, 当科へ再入院した.白血球数6,900/μlで芽球が21%認められた.骨髄中に芽球が26%みられた.芽球はmyeloperoxidase陰性で, 表面マーカーはCD7, CDl3, CD33が陽性であった.染色体の核型は47, XY, t (7;12), +19であった.FAB分類MOと診断し, pirarubicin, vin...

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Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 10; no. 1; pp. 42 - 45
Main Authors 平山, 清武, 具志堅, 俊樹, 知名, 耕一郎, 百名, 伸之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 29.02.1996
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ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.10.42

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Summary:患児は11カ月の男児で, 生後10カ月時に汎白血球減少のため当科へ入院した.白血球数2,630/μl, 血色素7.4g/dl, 血小板数16,000/μlで, 骨髄中に芽球が7.4%みられた.汎血球減少は無治療で改善し, 骨髄中の芽球も消失した.1月後に肛門周囲膿瘍で, 当科へ再入院した.白血球数6,900/μlで芽球が21%認められた.骨髄中に芽球が26%みられた.芽球はmyeloperoxidase陰性で, 表面マーカーはCD7, CDl3, CD33が陽性であった.染色体の核型は47, XY, t (7;12), +19であった.FAB分類MOと診断し, pirarubicin, vincristine, cytarabineによる治療で寛解に導入できた. MOは, 新しい白血病の病型であり, 報告例が少ないためにその臨床像は不明な点が多い.本症例は, 汎白血球減少の自然寛解と芽球の消失後に白血病が発症しており, M7の臨床経過に類似していた.また本症例は芽球がPPO陽性で, M7の性状の一部を持つ病型と考えられた.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.10.42