胃癌とα2-AP glycoprotein

妊娠に伴う妊婦血清中に認められる特異な蛋白として, 胎児由来のものは臨床的に広く応用されているが, 母体側の蛋白としてα2-AP glycoproteinが報告されるようになった.われわれは胃癌患者38例について, α2-APG値の血清レベルについて, 病期, 肉眼的分類, 組織学的分類について検索した.さらに乳腺疾患患者46例についてα2-APGを測定し, 胃癌と比較検討した.その結果, 胃癌では対照群と比較してα2-APG値は高値を示し, I期 (早期癌) ではII~IV期と比較して有意差が認められた.しかし, 肉眼的分類では差異は認められなかった.組織学的分類ではpor.が高値を呈した....

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 13; no. 8; pp. 981 - 985
Main Authors 江端, 俊彰, 浅石, 和昭, 戸塚, 守夫, 早坂, 滉, 村島, 義男, 窪田, 憲也, 近藤, 光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 1980
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Summary:妊娠に伴う妊婦血清中に認められる特異な蛋白として, 胎児由来のものは臨床的に広く応用されているが, 母体側の蛋白としてα2-AP glycoproteinが報告されるようになった.われわれは胃癌患者38例について, α2-APG値の血清レベルについて, 病期, 肉眼的分類, 組織学的分類について検索した.さらに乳腺疾患患者46例についてα2-APGを測定し, 胃癌と比較検討した.その結果, 胃癌では対照群と比較してα2-APG値は高値を示し, I期 (早期癌) ではII~IV期と比較して有意差が認められた.しかし, 肉眼的分類では差異は認められなかった.組織学的分類ではpor.が高値を呈した. α2-APG値は今後, 種々の癌について, スクリーニング, 術後の予後追求, 再発癌の治療効果の判定に検討されるべきものと考える.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.13.981