第10回体表心臓微小電位研究会 抗不整脈薬投与下で評価されたT-wave alternansは器質的心疾患に伴う心室頻拍/細動の予知指標となり得るか Late potential, QT dispersionとの前向き比較からの検討

【目的】薬剤投与下で評価されたT-wave alternans(TWA)が,Late potential (LP)やQT dispersion (QTd)と比較して,持続性心室頻拍(VT)/細動(VF)の予知指標となり得るかについて前向きに調査することである. 【対象および方法】対象は持続性VT/VFの既往があり,抗不整脈薬投与下でTWA, LP, QTdの評価がなされた器質的心疾患患者22例である. VT/VFの再発は前向きに調査され, TWA, LP, QTdとの関連が評価された. 【結果】薬剤投与下で評価したTWA, LP, QTdの陽性例は,それぞれ13例(59%), 12例(63%)...

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Published in心臓 Vol. 33; no. Supplement1; pp. 33 - 36
Main Authors 酒部, 宏一, 池田, 隆徳, 熊谷, 賢太, 手塚, 尚紀, 高見, 光央, 中江, 武志, 坂田, 隆夫, 野呂, 眞人, 円城寺, 由久, 杉, 薫, 山口, 徹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 23.02.2001
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Summary:【目的】薬剤投与下で評価されたT-wave alternans(TWA)が,Late potential (LP)やQT dispersion (QTd)と比較して,持続性心室頻拍(VT)/細動(VF)の予知指標となり得るかについて前向きに調査することである. 【対象および方法】対象は持続性VT/VFの既往があり,抗不整脈薬投与下でTWA, LP, QTdの評価がなされた器質的心疾患患者22例である. VT/VFの再発は前向きに調査され, TWA, LP, QTdとの関連が評価された. 【結果】薬剤投与下で評価したTWA, LP, QTdの陽性例は,それぞれ13例(59%), 12例(63%),1 4例(70%)であった.平均観察期間は12±10カ月で,持続性VT/VFの再発は12例にみられた.TWA, LP, QTdのVT/VFに対する予測値は,感度(それぞれ83%, 73%, 73%),特異度(70%, 52%, 33%),陽性的中率(77%, 67%, 57%),陰性的中率(78%, 57%, 50%)であり, TWAのみが有意な予測指標であった(単変量解析: p=0.01,多変量解析: p=0.03). 【総括】1)持続性VT/VFの予測指標として,抗不整脈薬投与下で評価されたTWAもLPやQTdより有用であることが本前向き研究から示された.2) TWAは抗不整脈薬効果の指標になり得ると思われる.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.33.Supplement1_33