肋骨に発生したChondromyxoid Fibromaの1例

患者は6歳男児.小学校入学時の胸部x線写真上右第7肋骨の皮質の膨隆を伴った辺縁明瞭な骨透亮像を指摘され当院を受診した.胸部CTでは腫瘍の一部に石灰化を認あ, CT値は28であった.骨シンチグラフィーでは腫瘍に一致して99mTcの集積を認めた.第7肋間動脈造影では腫瘍血管の増生が認あられ, 遅いphaseでは造影剤のpoolingがみられた.手術は腫瘍に接する上下の肋骨の骨膜, および壁側胸膜を腫瘍に付着させるようにして腫瘍より1cmの部位で肋骨を切断して腫瘍を切除した.病理組織学的にchondromyxoid fibromaと診断された.本腫瘍は比較的稀な骨良性腫瘍で, 肋骨発生の頻度は低いの...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 呼吸器外科 Vol. 3; no. 1; pp. 85 - 90
Main Authors 加藤, 良一, 前中, 由巳, 入, 久己
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.03.1989
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Summary:患者は6歳男児.小学校入学時の胸部x線写真上右第7肋骨の皮質の膨隆を伴った辺縁明瞭な骨透亮像を指摘され当院を受診した.胸部CTでは腫瘍の一部に石灰化を認あ, CT値は28であった.骨シンチグラフィーでは腫瘍に一致して99mTcの集積を認めた.第7肋間動脈造影では腫瘍血管の増生が認あられ, 遅いphaseでは造影剤のpoolingがみられた.手術は腫瘍に接する上下の肋骨の骨膜, および壁側胸膜を腫瘍に付着させるようにして腫瘍より1cmの部位で肋骨を切断して腫瘍を切除した.病理組織学的にchondromyxoid fibromaと診断された.本腫瘍は比較的稀な骨良性腫瘍で, 肋骨発生の頻度は低いので, 文献的考察を加えて報告した.術後2年3か月の現在患児は再発の徴候無く元気に通学している.
ISSN:0917-4141
1884-1724
DOI:10.2995/jacsurg1987.3.85