水環境中医薬品のLC-MS/MSによる一斉分析法の検討

近年, 新たな環境汚染物質として医薬品が注目を浴び, 欧米を中心に環境中からの検出や分析方法が相次いで報告されている。本研究ではできるだけ簡便に, また数多くの医薬品を一斉分析できることを目標とし, 環境中の医薬品の固相抽出-LC-MS/MS分析法の開発を試みた。本分析法における抽出効率やイオン化効率を明らかにすることで, 分析対象成分の増減を補正する必要性を確認した。その補正法として原試料に標準物質を添加 (1点) して定量する方法を提案した。その結果, 本法では試料濃縮倍率が200倍で, 58の医薬品を0.66~59ng/1で検出することが可能であり, 水環境中の医薬品のスクリーニング分析...

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Published in環境工学研究論文集 Vol. 43; pp. 73 - 82
Main Authors 小西, 千絵, 宝輪, 勲, 中田, 典秀, 田中, 宏明, 小森, 行也, 鈴木, 穣
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 土木学会 17.11.2006
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ISSN1341-5115
1884-829X
DOI10.11532/proes1992.43.73

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Summary:近年, 新たな環境汚染物質として医薬品が注目を浴び, 欧米を中心に環境中からの検出や分析方法が相次いで報告されている。本研究ではできるだけ簡便に, また数多くの医薬品を一斉分析できることを目標とし, 環境中の医薬品の固相抽出-LC-MS/MS分析法の開発を試みた。本分析法における抽出効率やイオン化効率を明らかにすることで, 分析対象成分の増減を補正する必要性を確認した。その補正法として原試料に標準物質を添加 (1点) して定量する方法を提案した。その結果, 本法では試料濃縮倍率が200倍で, 58の医薬品を0.66~59ng/1で検出することが可能であり, 水環境中の医薬品のスクリーニング分析法として有用であることが明らかとなった。
ISSN:1341-5115
1884-829X
DOI:10.11532/proes1992.43.73