大動脈弁位 St. Jude Medical 弁に対する再弁置換術6例の経験

1982年から1999年3月までに使用した大動脈弁位SJM弁276個のうち, 6個 (2.2%) に対し再弁置換術を行った. いずれも大動脈弁狭窄の状態で, 連続波ドプラー法による人工弁通過血流の最高流速は, 3.5~5.4m/sec, 平均4.55m/sec, 圧較差にして約83mmHgと著明に増大していた. 3例がパンヌス, 1例が血栓によるもので, 2例は prosthesis-patient mismatch と思われた. パンヌス発生に関係する因子として, 人工弁の方向が影響している可能性があると考えており, 心室中隔に垂直になるように縫着すべきと思われた. 大動脈弁位SJM弁の再手...

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 30; no. 1; pp. 19 - 22
Main Authors 七条, 健, 大庭, 治, 柚木, 継二, 井上, 雅博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 15.01.2001
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Summary:1982年から1999年3月までに使用した大動脈弁位SJM弁276個のうち, 6個 (2.2%) に対し再弁置換術を行った. いずれも大動脈弁狭窄の状態で, 連続波ドプラー法による人工弁通過血流の最高流速は, 3.5~5.4m/sec, 平均4.55m/sec, 圧較差にして約83mmHgと著明に増大していた. 3例がパンヌス, 1例が血栓によるもので, 2例は prosthesis-patient mismatch と思われた. パンヌス発生に関係する因子として, 人工弁の方向が影響している可能性があると考えており, 心室中隔に垂直になるように縫着すべきと思われた. 大動脈弁位SJM弁の再手術回避率は満足できるものであるが, 少ないながら再弁置換術を必要とする症例があり, 超音波検査を中心とした厳重な follow が必要と思われた.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.30.19