モノー,ジーニトロピレン混合物のB6C3F1マウスにおける経胎盤発癌性
一般大気環境, 室内空気の主要な汚染物質であるニトロ化多環芳香族炭化水素に属するニトロピレン類の経胎盤発癌性について検討した。C3H/HeNマウスと交配して妊娠したC57BL/6Nマウスに1-ニトロピレンと微量の1, 3-, 1, 6-, 1, 8-ジニトロピレンの混合物 (NP-mix) を妊娠15日に腹腔内投与して, 出生仔 (B6C3F1マウス) の腫瘍発生について発生率と腫瘍の病理組織学的検討を行った。NP-mixを投与した妊娠マウスに高率に流産が誘発されたが, F1マウスでは18ヵ月時の剖検において, 量反応関係は不明瞭ではあるが対照マウスに比較して統計学的に有意に (p<0....
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Published in | 大気汚染学会誌 Vol. 28; no. 2; pp. 99 - 106 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
公益社団法人 大気環境学会
10.03.1993
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ISSN | 0386-7064 2186-3695 |
DOI | 10.11298/taiki1978.28.99 |
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Summary: | 一般大気環境, 室内空気の主要な汚染物質であるニトロ化多環芳香族炭化水素に属するニトロピレン類の経胎盤発癌性について検討した。C3H/HeNマウスと交配して妊娠したC57BL/6Nマウスに1-ニトロピレンと微量の1, 3-, 1, 6-, 1, 8-ジニトロピレンの混合物 (NP-mix) を妊娠15日に腹腔内投与して, 出生仔 (B6C3F1マウス) の腫瘍発生について発生率と腫瘍の病理組織学的検討を行った。NP-mixを投与した妊娠マウスに高率に流産が誘発されたが, F1マウスでは18ヵ月時の剖検において, 量反応関係は不明瞭ではあるが対照マウスに比較して統計学的に有意に (p<0.05) 高率な肺腺腫, 腺癌の発生が認められた。以上の結果は, ニトロピレン類の妊娠期の投与が流産誘発作用を示すと同時に経胎盤的に胎仔に作用し, 生後の肺腫瘍発生を誘発し, 腫瘍の組織学的悪性化を促進する可能性を強く示唆する。 |
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ISSN: | 0386-7064 2186-3695 |
DOI: | 10.11298/taiki1978.28.99 |