癌患者におけるリハビリテーション第2報 チームアプローチの有用性について

癌患者のような心身両面の問題を抱えた患者に対しては, リハビリテーションの特徴であるチームアプローチは, 大変有用な手段である。主治医や病棟スタッフとともに, リハビリのスタッフが協力したことで, 終末期の患者の心身両面に対する援助が可能となった2症例を紹介する。 2例とも, 疼痛がコントロールされ全身状態の小康を得た後も, 心理面での葛藤が大きく自宅ヘスムーズに復帰できなかった例であった。臨床心理士やケースワーカーを含めたリハビリのスタッフによる, 患者家族に対する身体心理面への援助によって, 家庭復帰が可能となった。 〈症例1〉60歳女性直腸癌 (骨盤内侵潤) 疼痛が緩和され小康を得た後も...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 46; no. 4; pp. 760 - 763
Main Author 水井, 伸子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 30.11.1997
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.46.760

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Summary:癌患者のような心身両面の問題を抱えた患者に対しては, リハビリテーションの特徴であるチームアプローチは, 大変有用な手段である。主治医や病棟スタッフとともに, リハビリのスタッフが協力したことで, 終末期の患者の心身両面に対する援助が可能となった2症例を紹介する。 2例とも, 疼痛がコントロールされ全身状態の小康を得た後も, 心理面での葛藤が大きく自宅ヘスムーズに復帰できなかった例であった。臨床心理士やケースワーカーを含めたリハビリのスタッフによる, 患者家族に対する身体心理面への援助によって, 家庭復帰が可能となった。 〈症例1〉60歳女性直腸癌 (骨盤内侵潤) 疼痛が緩和され小康を得た後も, 本人家族の心理面の葛藤のため, 退院を拒否し続けた。〈症例2〉71歳男性腎癌 転移性脊椎腫瘍による完全対麻痺があり, 患者は強い欝状態を呈していた。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.46.760