豚肉の色彩に関する調査 (第1報)
豚肉の色彩は全体的に明度45位で色相ほ純赤色 (b/a=0.287) よりやや黄色の方向へ傾き, 彩度は純赤色 (√a2+b2=50.7) の1/3~1/2位である。 性別による色彩の差は認められず, 品種間ではY・Y・L・L・Hの4品種についてY-H間では差がないが他の品種では肉眼で色彩の差が感知てきる。 色彩のバラツキの度合は性及び品種による差は認められないが, 明度 (L)・彩度 (√a2+b2)・色相 (b/a) のバラツキについては, 色相が最も大きく次いで彩度となり, 明度が最もバラツキが少い。 屠体形質との関連では, 背脂肪層の厚さ (平均) とは全く関連性が無く, 肉のpH・ロ...
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Published in | 日本養豚研究会誌 Vol. 7; no. 2; pp. 108 - 113 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本養豚学会
30.08.1970
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ISSN | 0388-8460 2186-2567 |
DOI | 10.14899/youton1964.7.108 |
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Summary: | 豚肉の色彩は全体的に明度45位で色相ほ純赤色 (b/a=0.287) よりやや黄色の方向へ傾き, 彩度は純赤色 (√a2+b2=50.7) の1/3~1/2位である。 性別による色彩の差は認められず, 品種間ではY・Y・L・L・Hの4品種についてY-H間では差がないが他の品種では肉眼で色彩の差が感知てきる。 色彩のバラツキの度合は性及び品種による差は認められないが, 明度 (L)・彩度 (√a2+b2)・色相 (b/a) のバラツキについては, 色相が最も大きく次いで彩度となり, 明度が最もバラツキが少い。 屠体形質との関連では, 背脂肪層の厚さ (平均) とは全く関連性が無く, 肉のpH・ロースの長さ・ハムの割合についても関連性は乏しいと思われる。 肉質の審査得点については各品種共Lと高い負の相関が認められたが, その他ははっきりしない。したがって肉眼で肉の良否を判定する場合その明度によって強く影響され, 明度の低い肉 (色の濃いもの) が良く見えるが, その他彩度の高いもの (色のあざやかなもの), 色相の低いもの (赤色に近いもの) が良いと考えられる。 Y・Y・L・L・H4品種の肉の色彩 ○ヨークシャー種の肉の色彩 明度はHと同程度で最も低いがバラツキが大きい。 彩度もHと同程度で最もあざやかな色をしている。色相はLと同程度で黄味が強く, バラツキが大きい。 ○ランドレース種の肉の色彩 明度は最も高く, 彩度はY・Lに次いで低くバラツキが大きい。色相は黄味が強い。 ○F1 (Y×L) 種の肉の色彩 明度はLに次いで高く彩度は低くバラツキが大きい。 色相はHに次いで赤色に近く, バラツキも小さい。 ○ハンプシャー種の肉の色彩 明度は最も低く, バラツキも小さい。採度は大きく色相は最も赤色に近いがバラツキが大きい。Yの肉の色彩とは肉眼ではその差を感知できない。 |
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ISSN: | 0388-8460 2186-2567 |
DOI: | 10.14899/youton1964.7.108 |