脳内酸素飽和度モニタINVOS3100の使用経験

脳内酸素飽和度モニターINVOS3100を使用して,人工心肺中の脳内酸素飽和度を連続的にモニタした15症例についての検討を行った。15例中1例は分離体外循環を行っているため統計処理から除外した。今回,人工心肺中の脳内酸素飽和度の変動と血中炭酸ガス濃度,およびヘモグロビンの関係を検討したが,両者ともに脳内酸素飽和度との相関は認められなかった。分離体外循環を行った1例をモニタしたが,循環停止中の脳内酸素飽和度は急激に低下し,逆行性脳灌流開始とともにその傾向は鈍化した。また循環停止および脳灌流終了と同時に脳内酸素飽和度は急激に上昇した。今回,循環停止による脳内酸素飽和度の低下,循環停止解除による脳内...

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Published in体外循環技術 Vol. 23; no. 2; pp. 49 - 52
Main Authors 山中, 英樹, 片寄, 恭次, 小山, 淳雄, 藤井, 義久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 25.02.1997
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ISSN0912-2664
1884-5452
DOI10.7130/hokkaidoshakai.23.2_49

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Summary:脳内酸素飽和度モニターINVOS3100を使用して,人工心肺中の脳内酸素飽和度を連続的にモニタした15症例についての検討を行った。15例中1例は分離体外循環を行っているため統計処理から除外した。今回,人工心肺中の脳内酸素飽和度の変動と血中炭酸ガス濃度,およびヘモグロビンの関係を検討したが,両者ともに脳内酸素飽和度との相関は認められなかった。分離体外循環を行った1例をモニタしたが,循環停止中の脳内酸素飽和度は急激に低下し,逆行性脳灌流開始とともにその傾向は鈍化した。また循環停止および脳灌流終了と同時に脳内酸素飽和度は急激に上昇した。今回,循環停止による脳内酸素飽和度の低下,循環停止解除による脳内酸素飽和度の上昇をモニタリングできたことは,脳の状態を評価する一つの指標として有用と考えられ,今後さらに追加検討が必要と考える。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/hokkaidoshakai.23.2_49