Ca剤の葉面散布が “女峰” イチゴの収穫の品質に及ぼす影響

JA三木町管内の農家のハウスにおいて, 夜冷育苗後9月定植した “女峰” イチゴにCa剤葉面散布を行った。処理剤は塩化Ca (2000ppm Ca), 有機キレートCa液剤 (200ppm Ca, 大塚化学), 有機キレートCa液剤にホウ酸を12.5ppm添加した液剤 (大塚化学, “カルハード”), さらに有機キレート剤であるカルボン酸 (150ppm) の影響を調査するため植物から抽出したカルボン酸単独の区を設定した。またすべての区に展着剤 (0.1%tween-20) を添加した。対照区は水道水に展着剤のみを添加した。手散布機で10a当たり200literを週1回, 花落ちから収穫前に3...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本食品保蔵科学会誌 Vol. 25; no. 2; pp. 63 - 68
Main Authors 松井, 年行, 川田, 和秀, ワサナナ, ファン, 楠, 正人
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本食品保蔵科学会 30.03.1999
Online AccessGet full text
ISSN1344-1213
2186-1277
DOI10.5891/jafps.25.63

Cover

Loading…
More Information
Summary:JA三木町管内の農家のハウスにおいて, 夜冷育苗後9月定植した “女峰” イチゴにCa剤葉面散布を行った。処理剤は塩化Ca (2000ppm Ca), 有機キレートCa液剤 (200ppm Ca, 大塚化学), 有機キレートCa液剤にホウ酸を12.5ppm添加した液剤 (大塚化学, “カルハード”), さらに有機キレート剤であるカルボン酸 (150ppm) の影響を調査するため植物から抽出したカルボン酸単独の区を設定した。またすべての区に展着剤 (0.1%tween-20) を添加した。対照区は水道水に展着剤のみを添加した。手散布機で10a当たり200literを週1回, 花落ちから収穫前に3~4回果実を主に植物体全体に1週間間隔で散布した。 収穫前のCa散布の効果が認められた。収穫時の果実硬度を高め, 呼吸量を減らし鮮度保持を向上させた。20℃貯蔵2日において健全果率が高く, 痛み果と腐敗果が対照区に比べて低かった。成分分析の結果果汁の滴定酸・可溶性固形物含量, 果肉の糖含量及び果皮色には処理間に有意な差は見られなかったが果肉のアスコルビン酸含量は散布区の方が有意に多く, この差は20℃貯蔵2日でも持続していた。有機キレートCa液剤 (200ppm Ca) は, ホウ酸の添加の有無にかかわらずCa濃度が1/10でも塩化Ca (2000ppm Ca) 同等の効果があった。カルボン酸 (有機キレート剤) 単独使用は効果が認められなかった。
ISSN:1344-1213
2186-1277
DOI:10.5891/jafps.25.63