第11回体表心臓微小電位研究会 シンポジウム Brugada症候群の病態診断における心電学的アプローチ―加算平均心電図, T wave alternans, 体表面マッピングなどからの知見― Brugada症候群の心電学的異常 体表面電位図による検討
体表面電位図を用いてBmgada症候群の脱分極過程と再分極過程について検討した. 1.異常心電図の分布:r'波およびST上昇(r'+ST上昇)が前胸部から左胸部上方にかけて存在した.分布および波形(saddle-back型,coved型)は日内・日差変動を有し,自律神経作動薬,過換気負荷およびNaチャネル遮断薬により変化した.心室細動直後に分布は最大であり経過とともに縮小した.2.脱分極異常r'+ST上昇出現時には,QRS波等電位図上breakthrough出現時間およびQRS幅の増大を認め,VAT等時線図上,前胸部での興奮伝播遅延を認めた.3.再分極異常:1)Q...
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Published in | 心臓 Vol. 34; no. Supplement1; pp. 70 - 76 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
20.02.2002
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Summary: | 体表面電位図を用いてBmgada症候群の脱分極過程と再分極過程について検討した. 1.異常心電図の分布:r'波およびST上昇(r'+ST上昇)が前胸部から左胸部上方にかけて存在した.分布および波形(saddle-back型,coved型)は日内・日差変動を有し,自律神経作動薬,過換気負荷およびNaチャネル遮断薬により変化した.心室細動直後に分布は最大であり経過とともに縮小した.2.脱分極異常r'+ST上昇出現時には,QRS波等電位図上breakthrough出現時間およびQRS幅の増大を認め,VAT等時線図上,前胸部での興奮伝播遅延を認めた.3.再分極異常:1)QRST等積分値図は通常は単一双極子性分布であるが,44例中5例(11%)では多双極子性分布へ変化した.2)RT(recovery time)等時線図:ST上昇非出現時とsaddle-back型ST上昇時では,RT等時線図の分布およびRTc dispersionに変化はなかった.Coved型ST上昇時には前胸部から左胸部上方にかけてRTcが延長し,RTc dispersionも増大した.3)Naチャネル遮断薬の影響:負荷後にcoved型ST上昇が出現し,RTcが増大した.負荷後にRTcが最大となる誘導では,負荷前と比してATc(activationtime)およびARIc(activation recovery interval)の両者とも増大した. 以上よりBrugada症候群では右室流出路から右室前壁および心室中隔にかけてNaチャネル異常が関与する興奮伝播遅延および再分極過程不均一性増大をきたすことが示唆された. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.34.Supplement1_70 |