モデル試験系を用いた多摩川底質における直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩 (LAS) の生分解性

LASの河川底質中での動態を解明するために,河川をシミュレートした2種類のモデル試験系を作製し,多摩川底質を用いてLASの生分解性試験を行った。底質中のLAS濃度は試験初期において緩やかに減少した後,一定速度で直線的に低下した。試験開始から底質濃度の直線的な低下が始まるまでの時間はモデル試験系によって,また同じ試験系でも同族体や異性体成分によって異なった。 この直線部分にMichaelis-Mentenモデルを適用することにより,河川底質微生物によるLASの生分解速度Vmaxを得た。 totalLASのVmaxは2種類のモデル試験でそれぞれ0.689および0.792mg・kg-1底質・d-1で...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in水質汚濁研究 Vol. 14; no. 3; pp. 174 - 181,163
Main Authors 松延, 保子, 勝浦, 洋, 吉村, 孝一, 矢可部, 芳州, 三浦, 千明, 江藤, 千純
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本水環境学会 10.03.1991
Online AccessGet full text
ISSN0387-2025
DOI10.2965/jswe1978.14.174

Cover

More Information
Summary:LASの河川底質中での動態を解明するために,河川をシミュレートした2種類のモデル試験系を作製し,多摩川底質を用いてLASの生分解性試験を行った。底質中のLAS濃度は試験初期において緩やかに減少した後,一定速度で直線的に低下した。試験開始から底質濃度の直線的な低下が始まるまでの時間はモデル試験系によって,また同じ試験系でも同族体や異性体成分によって異なった。 この直線部分にMichaelis-Mentenモデルを適用することにより,河川底質微生物によるLASの生分解速度Vmaxを得た。 totalLASのVmaxは2種類のモデル試験でそれぞれ0.689および0.792mg・kg-1底質・d-1であった。同族体のVmaxはアルキル鎖の炭素数が短いほど大きくなる傾向があった。
ISSN:0387-2025
DOI:10.2965/jswe1978.14.174