第9回体表心臓微小電位研究会 完全右脚ブロック症例における心房加算平均心電図の臨床的意義 左室肥大の有無による検討

【目的】心房加算平均心電図(P-SAECG)により完全右脚ブロック症例(CRBBB)における左室肥大(LVH)を評価し得るか否かについて検討した.【方法】心電図にてCRBBBと診断された26例(平均年齢68±7歳)を対象とした.心エコーにてLVHを有する13例(A群)と有しない13例(B群)に分け,全例でECGから最大P波の幅(P-d),V1のPterminalforce(PTFV1)を計測した.一方,P-SAECGの記録は,フクダ電子製FDX-6521を用い,P波同期法にて施行した.加算回数は固定せず,ノイズレベルが0.4μV以下となるまで記録し,Filtered Pduration(FP-...

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Published in心臓 Vol. 32; no. Supplement1; pp. 14 - 18
Main Authors 笠巻, 祐二, 降旗, 章子, 正木, 理子, 山田, 健史, 小沢, 友紀雄, 渡辺, 一郎, 小牧, 宏一, 上松瀬, 勝男, 橋本, 賢一, 矢久保, 修嗣, 柳川, 新, 斎藤, 穎, 中山, 清和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 25.02.2000
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.32.Supplement1_14

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Summary:【目的】心房加算平均心電図(P-SAECG)により完全右脚ブロック症例(CRBBB)における左室肥大(LVH)を評価し得るか否かについて検討した.【方法】心電図にてCRBBBと診断された26例(平均年齢68±7歳)を対象とした.心エコーにてLVHを有する13例(A群)と有しない13例(B群)に分け,全例でECGから最大P波の幅(P-d),V1のPterminalforce(PTFV1)を計測した.一方,P-SAECGの記録は,フクダ電子製FDX-6521を用い,P波同期法にて施行した.加算回数は固定せず,ノイズレベルが0.4μV以下となるまで記録し,Filtered Pduration(FP-d),終末部20msecのRMS voltage(RMS20),total RMS voltage(T-RMS)を計測項目とした.UCGより左室拡張末期径(LVDd),拡張期心室中隔壁厚(IVST),拡張期左室後壁厚(LVPWT),左房径(LAD)を計測し,次式により左室重量(LVmass)を計算し,男性では225g以上,女性では215g以上をLVHありとした.LVmass=1.04[(LVDd+IVST+LVPWT)3-(LVDd)3]-13.6.【結果】1)A群のP-d,PTFV1は各々114.3±7.6msec,0.039±0.025であり,B群の各々109.2±13.4msec,0.037±0.018と有意差は認めなかった.2)A群:B群のFP-d,RMS20,T-RMSは各々144.3±6.8:127.8±9.9msec(p<0.001),2.9±1.2:4.3±1.7μV(p<0.05),8.0±1.9:6.1±2.1μV(p<0.05)であった.【総括】CRBBB症例におけるLVHの評価にP-SAECGによるFP-d,T-RMS,RMS20は有用な指標となり得ると思われた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.32.Supplement1_14