清酒もろみの腐造に関する研究 (第12報) 腐造乳酸菌との混合培養時における清酒酵母の発酵能について

乳酸菌と混合培養した酵母の乾燥菌体当りの発酵能は培養時間とともに著しく低下する。しかしこの発酵能を生菌数当りに換算すると培養時間とともにやや上昇する傾向がみられる。これは増殖能は欠くがなお発酵能を有する酵母が混在しているためと考えられる。乳酸菌との混合培養時にみられる酵母の乾燥菌体当りの発酵能の低下には, 生成される乳酸, 培地のpH低下にはほとんど関係がなく, また栄養源を与えても発酵能は上昇しない。 乳酸菌との混合培養時にみられる乾燥菌体当りの発酵能の低下は主として死細胞の増加によるものであり, 腐造もろみでみられるアルコール生成の停滞も, その主要因は死細胞の増加によるものと考えられる。...

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Published in日本釀造協會雜誌 Vol. 63; no. 8; pp. 871 - 873
Main Authors 外池, 良三, 小泉, 隆司, 百瀬, 洋夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本醸造協会 15.08.1968
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ISSN0369-416X
2186-4004
DOI10.6013/jbrewsocjapan1915.63.871

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Summary:乳酸菌と混合培養した酵母の乾燥菌体当りの発酵能は培養時間とともに著しく低下する。しかしこの発酵能を生菌数当りに換算すると培養時間とともにやや上昇する傾向がみられる。これは増殖能は欠くがなお発酵能を有する酵母が混在しているためと考えられる。乳酸菌との混合培養時にみられる酵母の乾燥菌体当りの発酵能の低下には, 生成される乳酸, 培地のpH低下にはほとんど関係がなく, また栄養源を与えても発酵能は上昇しない。 乳酸菌との混合培養時にみられる乾燥菌体当りの発酵能の低下は主として死細胞の増加によるものであり, 腐造もろみでみられるアルコール生成の停滞も, その主要因は死細胞の増加によるものと考えられる。
ISSN:0369-416X
2186-4004
DOI:10.6013/jbrewsocjapan1915.63.871