都市近郊林における樹木葉の浮遊重金属捕捉機能に関する研究
都市近郊林における浮遊重金属捕捉機能を明らかにするために, アラカシ (Quercus glauca), ナナメノキ (Ilex chinensis), ネズミモチ (Ligustrum japonicum), およびピサカキ (Eurya japonica) の常緑広葉樹4樹種について樹木葉のZn, Cu, Pb, Ni, Mn量を測定した。各元素の葉面付着量は当年葉に比べ旧年葉で多く, とくに中下層木ではその違いが大きくなっていた。また, 走査電子顕微鏡を用いた観察により浮遊粉塵の大半が葉面上の菌糸に絡み付くような形態で捕捉されていることが明らかになった。葉面の粉塵粒子密度は当年葉に比べて...
Saved in:
Published in | 日本緑化工学会誌 Vol. 19; no. 1; pp. 1 - 10 |
---|---|
Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本緑化工学会
10.08.1993
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0916-7439 0916-7439 |
DOI | 10.7211/jjsrt.19.1 |
Cover
Summary: | 都市近郊林における浮遊重金属捕捉機能を明らかにするために, アラカシ (Quercus glauca), ナナメノキ (Ilex chinensis), ネズミモチ (Ligustrum japonicum), およびピサカキ (Eurya japonica) の常緑広葉樹4樹種について樹木葉のZn, Cu, Pb, Ni, Mn量を測定した。各元素の葉面付着量は当年葉に比べ旧年葉で多く, とくに中下層木ではその違いが大きくなっていた。また, 走査電子顕微鏡を用いた観察により浮遊粉塵の大半が葉面上の菌糸に絡み付くような形態で捕捉されていることが明らかになった。葉面の粉塵粒子密度は当年葉に比べて旧年葉で, 裏面に比べて表面でそれぞれ多くなっていた。葉面に付着する粉塵粒子の元素分析から, その大半は土壌粒子に由来するが, 一部は明らかに人間活動に直接由来した粉塵粒子であることが推測された。 |
---|---|
ISSN: | 0916-7439 0916-7439 |
DOI: | 10.7211/jjsrt.19.1 |