薬物の経粘膜吸収改善とDDS Tight junctionおよびP-糖蛋白質の機能修飾に基づいた薬物吸収改善

各種吸収促進剤による腸管粘膜透過改善の生理学的な作用機構について検討した. カプリン酸ナトリウムは細胞内カルシウムを上昇させ, カルモジュリン依存的なアクチンフィラメントの収縮により, また, デカノイルカルニチンと酒石酸はATPの枯渇と細胞内アシドーシスにより, 細胞間隙ルートを拡大した. 一方, 酒石酸およびピロチオデカンはP-糖蛋白質(P-gp)の機能抑制により, P-gp基質の吸収を改善した. 以上から, 各種吸収促進剤による細胞間隙ルートと細胞内ルートそれぞれにおける薬物吸収制御機構が明らかとなった....

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Published inDrug Delivery System Vol. 20; no. 4; pp. 416 - 423
Main Authors 富田, 幹雄, 林, 正弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本DDS学会 10.07.2005
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Summary:各種吸収促進剤による腸管粘膜透過改善の生理学的な作用機構について検討した. カプリン酸ナトリウムは細胞内カルシウムを上昇させ, カルモジュリン依存的なアクチンフィラメントの収縮により, また, デカノイルカルニチンと酒石酸はATPの枯渇と細胞内アシドーシスにより, 細胞間隙ルートを拡大した. 一方, 酒石酸およびピロチオデカンはP-糖蛋白質(P-gp)の機能抑制により, P-gp基質の吸収を改善した. 以上から, 各種吸収促進剤による細胞間隙ルートと細胞内ルートそれぞれにおける薬物吸収制御機構が明らかとなった.
ISSN:0913-5006
1881-2732
DOI:10.2745/dds.20.416