第3回 体表心臓微小電位研究会 心房加算平均心電図の周波数解析 周波数成分と発作性心房細動との関係
発作性心房細動(Paf)症例では,洞調律時の加算平均心電図の特徴として心房波遅延電位の存在とfiltered P duration(FPD)の延長が指摘されている.しかしPafの有無により比較した加算平均心電図心房波指標はFPDのみに有意差を認め,さらに左房負荷を有する例はPafの既往のない例でもFPDの延長を認めた.そこで今回周波数解析を用いPafの有無と周波数成分の関係を調べた.対象はPaf(+)群20例,Paf(-)群25例で,各々200心拍のP波同期加算平均心電図を記録し,P波をX・Y・Zの各誘導につきBlackman-Harris window(4-Term)を用いフーリエ変換した....
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Published in | 心臓 Vol. 25; no. Supplement5; pp. 9 - 14 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
25.12.1993
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Summary: | 発作性心房細動(Paf)症例では,洞調律時の加算平均心電図の特徴として心房波遅延電位の存在とfiltered P duration(FPD)の延長が指摘されている.しかしPafの有無により比較した加算平均心電図心房波指標はFPDのみに有意差を認め,さらに左房負荷を有する例はPafの既往のない例でもFPDの延長を認めた.そこで今回周波数解析を用いPafの有無と周波数成分の関係を調べた.対象はPaf(+)群20例,Paf(-)群25例で,各々200心拍のP波同期加算平均心電図を記録し,P波をX・Y・Zの各誘導につきBlackman-Harris window(4-Term)を用いフーリエ変換した.0-20Hzの面積を20-50Hzの面積で除したarea ratio(AR50),0-40Hzの面積を40-100Hzの面積で除したarea ratio(AR100),20,30,40,50,100Hzの各々のmagnitudeを最大magnitudeで除したmagnitude ratio(MR20,30,40,50,100)と,従来の心房加算平均心電図のFPD,P波終末20msecのRMS電位(LP20)を二群間で比較検討した.Z誘導のAR100のみがPaf(+)群で有意に高値を示し,Z誘導以外の他の誘導では両群で有意差は認められなかった.以上,周波数解析による周波数成分の検討は,左房負荷により従来の心房加算平均心電図のFPD等の諸指標でPafの判別が困難な際にも,有用な指標となる可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.25.Supplement5_9 |