造血器疾患に合併した重症感染症に対するCefuzonamの有効性と安全性の検討 阪神造血器疾患感染症研究グループ
造血器疾患に合併した重症感染症151例に対し, Cefuzonam (CZON) を投与し, その有効性と安全性について検討した。CZONの投与量, 投与方法は1日2.0~6.0gを2~3回に分割し, 静注又は点滴静注により投与した。 その結果, CZONの臨床効果は著効34例, 有効40例, やや有効5例, 無効57例であり, 有効率は54.4%であつた。投与後の好中球数が500/μl以下の症例で43.8%, 100/μl以下の症例で35.9%の有効率が得られた。起炎菌が同定された例での有効率は, 70.6% (グラム陰性菌66.7%, グラム陽性菌80.0%) であつた。これに対して, 起...
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Published in | The Japanese Journal of Antibiotics Vol. 45; no. 11; pp. 1460 - 1468 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
25.11.1992
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ISSN | 0368-2781 2186-5477 |
DOI | 10.11553/antibiotics1968b.45.1460 |
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Summary: | 造血器疾患に合併した重症感染症151例に対し, Cefuzonam (CZON) を投与し, その有効性と安全性について検討した。CZONの投与量, 投与方法は1日2.0~6.0gを2~3回に分割し, 静注又は点滴静注により投与した。 その結果, CZONの臨床効果は著効34例, 有効40例, やや有効5例, 無効57例であり, 有効率は54.4%であつた。投与後の好中球数が500/μl以下の症例で43.8%, 100/μl以下の症例で35.9%の有効率が得られた。起炎菌が同定された例での有効率は, 70.6% (グラム陰性菌66.7%, グラム陽性菌80.0%) であつた。これに対して, 起炎菌の同定されなかつた例での有効率は52.1%であった。他剤先行投与抗生物質無効例に対する有効率は41.5%であつたが, この中で先行抗生物質が1剤の場合の有効率は50.0%であった。 安全性評価では副作用2例, 検査値異常4例の合計6例, 3.9%であった。 |
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ISSN: | 0368-2781 2186-5477 |
DOI: | 10.11553/antibiotics1968b.45.1460 |