有機化合物電解還元壓研究(第十五報) Nitranilineの還元壓

(1) o-, m-及p-nitranilineの電解還元壓をポーラログラフ法に依り測定し,イオン形及分子形の還元に就きて考察す.イオン形は分子形に比して陽性なる還元壓を有す.之弱監基性被還元性物質の特性なり。 (2) Nitrobenzeneの還元壓と比較するにnitranilineイオン形還元壓はNitrobenzene分子の還元壓より陽性なり.而してpH=7.0の場合を比較するにメタの場合を除き,オルト及パラにNH2の存在する時はNO2の還元壓を陰ならしむ.之NH2は陽性基なるを以て還元壓を陰ならしむるものにして著者の還元壓に關する一般則を裏書す. (3) オルト,メタ,パラ相互間の關係...

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Published in日本農芸化学会誌 Vol. 8; no. 12; pp. 1225 - 1237
Main Authors 志方, 益三, 田口, 榮一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本農芸化学会 1932
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Summary:(1) o-, m-及p-nitranilineの電解還元壓をポーラログラフ法に依り測定し,イオン形及分子形の還元に就きて考察す.イオン形は分子形に比して陽性なる還元壓を有す.之弱監基性被還元性物質の特性なり。 (2) Nitrobenzeneの還元壓と比較するにnitranilineイオン形還元壓はNitrobenzene分子の還元壓より陽性なり.而してpH=7.0の場合を比較するにメタの場合を除き,オルト及パラにNH2の存在する時はNO2の還元壓を陰ならしむ.之NH2は陽性基なるを以て還元壓を陰ならしむるものにして著者の還元壓に關する一般則を裏書す. (3) オルト,メタ,パラ相互間の關係はメタの還元壓も陽性にして,オルト及パラは殆んど同じ.之を交番極性に依るものとし説明す. (4) 他の種々のニトロ化合物の環元壓と比較して被還元性順位を定む.
ISSN:0002-1407
1883-6844
DOI:10.1271/nogeikagaku1924.8.12_1225