論文 構造物車上計測に向けた動的軌道変位差分の高精度な算出手法

近年発展してきている軌道変位に基づく構造物の車上計測手法では,動的軌道変位差分と呼ばれる指標が着目されているが,その算出誤差は車上計測手法の精度に直結する.本研究では,動的軌道変位差分の算出過程における位置ずれが動的軌道変位差分の誤差に及ぼす影響を理論的に導出した.さらに,導出した理論に基づき既往の動的軌道変位差分の算出過程を見直し,サンプリング間隔の変更に基づく新たな手法を提案した.提案した手法により算出した動的軌道変位差分をFEM解析と比較した結果,提案手法により動的軌道変位差分の誤差が低減することを明らかにした.また,理論導出で得られた誤差の特徴は,実軌道変位でも成り立ち,軌道変位の勾配...

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Published in鉄道工学シンポジウム論文集 Vol. 29; no. 1; pp. 171 - 178
Main Authors 松岡 弘大, 服部 紘司, 田中 博文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 土木学会 構造工学委員会 鉄道工学連絡小委員会 2025
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ISSN2759-1492
DOI10.11532/railwayengineering.29.1_171

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Summary:近年発展してきている軌道変位に基づく構造物の車上計測手法では,動的軌道変位差分と呼ばれる指標が着目されているが,その算出誤差は車上計測手法の精度に直結する.本研究では,動的軌道変位差分の算出過程における位置ずれが動的軌道変位差分の誤差に及ぼす影響を理論的に導出した.さらに,導出した理論に基づき既往の動的軌道変位差分の算出過程を見直し,サンプリング間隔の変更に基づく新たな手法を提案した.提案した手法により算出した動的軌道変位差分をFEM解析と比較した結果,提案手法により動的軌道変位差分の誤差が低減することを明らかにした.また,理論導出で得られた誤差の特徴は,実軌道変位でも成り立ち,軌道変位の勾配や位置ずれ量が大きくなるほど,また軌道変位の波長が短くなるほど増大する性質を明らかにした.
ISSN:2759-1492
DOI:10.11532/railwayengineering.29.1_171