妊娠初期におけるラット子宮液中の蛋白質成文とその由来について

妊娠3日目から7日目までのラット子宮液の蛋白質成分とその由来について検討した。 1.子宮液の蛋白質量は,妊娠の経過に伴い漸増しており,6日目以降では急激に増加した。 2.妊娠初期における子宮液の蛋白質の増加は,実験的処理による観察の結果,エストロジェンの分泌および卵子の着床刺激による脱落膜の形成の結果であることが示唆された。 3.子宮液の蛋白質成分は,ディスク電気泳動および免疫化学的分析の結果から,量的な差異が見られたが,血清のそれに類似していることが示された。 4.FITC標識の血清蛋白質により,血中から子宮腔への血清蛋白質の移行を検討した。その結果,血清蛋白質が妊娠初期の子宮液の蛋白質の経...

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Published in家畜繁殖研究會誌 Vol. 22; no. 3; pp. 109 - 114
Main Authors 竹内, 三郎, 長谷川, 喜久, 菅原, 七郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本繁殖生物学会 30.11.1976
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ISSN0453-0551
DOI10.1262/jrd1955.22.109

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Summary:妊娠3日目から7日目までのラット子宮液の蛋白質成分とその由来について検討した。 1.子宮液の蛋白質量は,妊娠の経過に伴い漸増しており,6日目以降では急激に増加した。 2.妊娠初期における子宮液の蛋白質の増加は,実験的処理による観察の結果,エストロジェンの分泌および卵子の着床刺激による脱落膜の形成の結果であることが示唆された。 3.子宮液の蛋白質成分は,ディスク電気泳動および免疫化学的分析の結果から,量的な差異が見られたが,血清のそれに類似していることが示された。 4.FITC標識の血清蛋白質により,血中から子宮腔への血清蛋白質の移行を検討した。その結果,血清蛋白質が妊娠初期の子宮液の蛋白質の経時的な増加に大きく関与しており,これらの変化は卵巣ホルモンに支配されていることが明らかにされた。
ISSN:0453-0551
DOI:10.1262/jrd1955.22.109