歯周病患者に適したブラッシング法の検討 第1報舌側転位を有する歯列不正と各種ブラッシング法

歯周病患者の有する様々な歯周組織の形態, 歯列異常に適したブラッシング法を検討する第一歩として, 歯列不正を有する模型で各種のブラッシング法によるプラーク除去効果を調べた。正常歯列および舌側転位のみられる下顎小臼歯部の天然歯列より印象採得し, 作製した模型に人工プラークを塗布し, 各ブラッシング法を行なって, プラーク残存率を比較した。その結果, プラーク除去効果は, 正常歯列では, スクラビング法, フォーンズ法, チャーターズ法, スティルマン改良法の順であった。一方, 舌側転位のみられる不正歯列では, スクラビング法とフォーンズ法が, 他の2方法より有意にプラーク除去効果が高かった。その...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 30; no. 1; pp. 262 - 271
Main Authors 山川, 雅子, 渡辺, いく子, 水野, 克己, 野口, 俊英, 夏目, 美穂, 吉井, 佐織, 岸, 正之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 28.03.1988
日本歯周病学会
Subjects
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.30.262

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Summary:歯周病患者の有する様々な歯周組織の形態, 歯列異常に適したブラッシング法を検討する第一歩として, 歯列不正を有する模型で各種のブラッシング法によるプラーク除去効果を調べた。正常歯列および舌側転位のみられる下顎小臼歯部の天然歯列より印象採得し, 作製した模型に人工プラークを塗布し, 各ブラッシング法を行なって, プラーク残存率を比較した。その結果, プラーク除去効果は, 正常歯列では, スクラビング法, フォーンズ法, チャーターズ法, スティルマン改良法の順であった。一方, 舌側転位のみられる不正歯列では, スクラビング法とフォーンズ法が, 他の2方法より有意にプラーク除去効果が高かった。そのうち, スクラビング法は, 不正歯列では, 正常歯列に比べて有意にプラーク除去率は低下したが, フォーンズ法は, 歯列状態による有意差はなく, 正常歯列と同様なプラーク除去効果を示した。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.30.262